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【解説】「大阪・関西万博」まで2年 今回の“目玉”は 「入場券」「建設業者未定」…課題も

2023年4月13日 20:37
【解説】「大阪・関西万博」まで2年 今回の“目玉”は 「入場券」「建設業者未定」…課題も

「大阪・関西万博」の開幕まで、13日であと2年となりました。これまでの万博の歴史を振り返りつつ、今回の見どころや見えてきた課題についてもお伝えします。

●最新技術が集結
●あれもこれも万博で
●「人間洗濯機」再び

以上のポイントを中心に詳しく解説します。

■開幕まであと2年…大阪・関西万博 「ミャクミャク」のグッズ発売も

13日、大阪市で2025年に開幕する大阪・関西万博の起工式が行われました。式典に出席した岸田首相は「1970年の万博を超える新世紀の万博にしていきたい」と述べました。

大阪・関西万博は、2025年4月13日から10月13日までの半年間にわたり開催されます。公式キャラクターは「ミャクミャク」で、“歴史や伝統などを「脈々(みゃくみゃく)」と引き継ぐ”という意味が込められています。不思議な生き物ですが、赤い部分は「細胞」を、青い部分は「清い水」を表しているそうです。

12日から「ミャクミャク」のグッズが発売され、さっそく多くの人が買い求めていました。13日午後2時には、専用のオンラインストアもオープンしています。

日本国内での万博開催は、実に2005年の「愛・地球博」以来だといい、20年ぶりのことです。

■万博がきっかけで世の中に広まったもの 今回「人間洗濯機」が進化?

万博とは、「万国博覧会」のことで、その時代の最先端の技術や芸術が世界中から集まる国際イベントです。世界で5年に1度、大規模なものが開催されています。

日本が最初に出展したのは、1867年のパリ万博でした。参加したのは江戸幕府と薩摩藩、佐賀藩だといい、陶器や浮世絵などの美術品が出展され、珍しがられたということです。

また、万博がきっかけで世の中に広まったものも、たくさんあります。1970年の大阪万博では「人類の進歩と調和」がテーマで、当時としては新しい技術が数多く登場しました。今となってはおなじみのものになりますが、次のようなものがあります。

●「動く歩道」
 現在、空港や駅で見られるものです。

●「電気自転車」
 市販される前のものを、会場で報道陣などに貸し出すなどされたようです。

●「テレビ電話」
 会場での迷子探しや子どもの顔の確認などに大きな成果をあげたということです。

さらに「回転寿司」も出展され、全国に広がるきっかけになったそうです。

さらに、この時に話題になったものが、「人間洗濯機」です。泡がぶくぶくと出てくるカプセルの中に人間が入ると、自動で汚れを落としてくれ、マッサージまでしてくれるというものです。“未来の浴槽“として前回の大阪万博に初出展され、長い行列ができたそうです。

この人間洗濯機が、55年の時を経て新たなものに進化しています。きっかけは、この人間洗濯機を見た“ある少年の驚き”でした。

当時小学4年生だった青山恭明さんは、この人間洗濯機を見て「マジか」と驚いたそうです。当時は自宅に風呂がない家庭も多い時代で、「未来はどうなるんだろうと、ドキドキ・ワクワクした」といい、その気持ちは今でも残っているといいます。

当時の青山少年はその後、微細な泡で体を洗う風呂や、コマーシャルでもおなじみのシャワーヘッドを扱う会社、「サイエンス」の会長に就任しました。

現在は体だけでなく「心」も洗う“未来型人間洗濯機”を開発していて、次の万博で出展することになったということです。13日、どのようなものか、聞きました。カプセルの中に入ると全身を自動で洗ってくれる上、センサーでその人の「ストレス状況」を判断し、360度のさまざまな画像や音楽、香りでリラックスさせ、身も心もきれいにしてくれるものだということです。

ほかにも、目玉と期待されるものが「空飛ぶクルマ」です。先月、大阪・高槻市で行われたデモフライトでは、遠隔操作でプロペラが回転すると2人乗りの機体が垂直に上昇し、地上30m付近を最高時速36キロほどで飛びました。この時に使われた機体が2年後の万博で運航するわけではありませんが、空飛ぶクルマが来場者の移動手段として注目されているということです。

■「入場券」「建設業者未定」課題は “認知度”も…

どのような未来が見られるのか楽しみな一方で、課題もあります。

その1つが「入場券」です。関係者によると、当初の想定より運営費が上がる懸念から、チケット価格を大人4800円から6000円以上へと見直しを進めていて、これにより前売り券の販売開始がずれ込む見通しとなっています。

さらに、「建設業者が未定」という問題もあります。建築資材の高騰などにより、建設工事の入札で不成立が相次ぎ、13日時点で4つのパビリオンで建設業者が決まっていないということです。

大阪府と大阪市が去年12月に実施した調査によると、万博の認知度自体は全国で前年度に比べ1.4ポイント増加の82.2%と8割を超えたものの、実際に「来場したい」という人は、全国で前年度に比べ10.7ポイント減少の41.2%にとどまっています。大阪府内でも46.3%と半分に届かず、府外では31%となっています。

開幕までの2年間、いかに関心を高めていけるのかということも大きな課題と言えそうです。

(2023年4月13日午後4時半ごろ放送 news every. 「知りたいッ!」より)