ニホンザル「群れで引っ越し」やっと決定 “お城の動物園”が閉園へ 約70年の歴史に幕 神奈川
神奈川・小田原城の天守閣の真下で、サルが飼育されています。子どもに人気の“お城の動物園”です。23日に訪れてみると、オリの中のサルは、すばしっこく動き回り、中には、ボスでしょうか…堂々とした風格のサルもいました。
“お城の動物園”は1950年に開園しました。最盛期にはゾウやクマなど、70種類の動物が飼育され、大勢の観客でにぎわいをみせていましたが、約50年前に文化庁から、お城に関係ない施設を撤去するよう求められ、他の動物園などへ引っ越していきました。
しかし、ニホンザルは群れで飼育する必要があるため引取先が決まらず、10年以上前から残されているのです。それが今年12月、7頭すべてのサルが茨城県の動物園「東筑波ユートピア」に一緒に引っ越すことが決まったのです。
毎日、ここを散歩するのが日課だという、“お城の動物園”の近くに住む男性(80代)は、「えっ! 本当ですか? 初めて聞いた。ショックだなぁ。(ここに)来ては7頭無事かなって確認している。(サルを見ることを)一つの楽しみにしている」と驚きを隠せません。
神奈川県在住(60代)
「お城に動物がいるというのは、なかなかないですよね。なので、残念だなって思います。かなり癒やしてもらったので」
20年にわたり飼育を担当してきた職員も――
飼育員 諸星典央さん
「個人的には寂しくなります」
サルが引っ越すと、“お城の動物園”は約70年の歴史に幕を閉じます。