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社会
2020年4月2日 16:38

地域のお手伝いで交通費0円の旅行?

地域のお手伝いで交通費0円の旅行?
(c)NNN

おてつたび代表の永岡里菜さん。

――「おてつたび」というサービスについて教えていただけますでしょうか。

「お手伝い」と「旅」を掛け合わせたウェブ上のマッチングプラットフォームを運営していて、“知らない地域で仕事をしながら旅をすること”を掲げております。具体的に申し上げますと、短期的・季節的な人手不足で困っている収穫時の農家さんやハイシーズン時の旅館と、いろんな地域に行ってみたいと思っている若者をマッチングするようなシステムになっています。例えば地方には昔から出稼ぎや季節労働という言葉があり、そういった働き方で地域は支えられています。一緒に仕事をするとすごく楽しいのですが、都心の人からするとそういった言葉は少し怖そうだったり、何だか不安定そうに聞こえてしまい、ネガティブな先行イメージがあるようです。そのイメージはもったいないなというところから、リブランディングする「おてつたび」ということをやっております。

――永岡さんはなぜその「おてつたび」を始められたのでしょうか。

私自身が三重県尾鷲市という、東京から車でも電車でも6時間かかる漁業と林業の町出身なのですが、そういった地域に旅行で行くかというと、「どこ?」となってしまいなかなか行きにくい。ただ、私自身2年半前に独立を決意し色々な方たちにヒアリングをしていた中で、皆さんがそういった「どこそこ?」の地域に行きたくないわけではなく、2つのハードルがあって行けなくなっているのではないかと考えました。

1つ目は、金銭的ハードルというところになっています。例えば尾鷲までですと、交通費だけで3万円ぐらいかかってしまい、そこで食べて、泊まって、となると5~6万ほど平気でかかってしまいます。5~6万あったらLCCで台湾であるとか色々なところに行けてしまいます。

2つ目は、心理的ハードルというものです。尾鷲は、ぱっと降りたら何もなくて、少し歩いたら道の駅があるかな、というようなところ。それでいて、かつインターネットに載っている情報が少ないといった地域にたった1人で行くというのは、心理的ハードルが非常に高いと思います。

その2つが気になるようであれば、一度「おてつたび」を通じて行ってみませんか、という形をとっています。地域でしっかりお手伝いをすることによって、そこの旅費や地域で遊ぶお金をペイできるような形です。

――ハードルを魅力で変えたということですね。どういった方が利用されているのでしょうか。

例えば、大学生。滋賀県の長浜で地域密着型のイベントでお手伝いをしています。「おてつたび」はお手伝いを通じて地域の方と自然と交流をすることができます。先ほどお伝えした「どうやって楽しめばいいのか」という心理的ハードルも、こういったイベントで共同作業・お手伝いを通じて、地域の、長浜の魅力を知って帰ってくるという形になっています。

――利用者は大学生の方が多いのでしょうか。

そうですね。今は大学生をターゲットに置いていますので、利用者の7割が大学生です。ただ最近は、30~40代の転職期間中の方やリフレッシュ休暇を使って利用される方、60歳以上の方も増えてきております。

――ごぼうを皆さんで収穫している写真がありますね。

青森県の三沢という地域でJAおいらせさんとご一緒させていただきました。この地域はごぼうの収穫の農家さんが多く、かつ大型の農地も多いため、1週間ぐらいで取り切らないといけないのですが、みんな同じタイミングで忙しい。一方で、「おてつたび」の利用者は農業に興味がある子たちというのが非常に多いので、そういった子たちをうまくマッチングしながら「おてつたび」をやるような形です。高校からずっと農業に興味があったのになぜか大学は経済学部に行ってしまったという男性が、就農に興味があるから行きたいということで行ってくれたりもしています。

――すごくいい旅になっていますね。また、新型コロナウイルスの影響によって始めた取り組みがあるとのことですが、教えていただけますか。

私達のおてつたび先は旅館さんが多いのですが、今はどうしても旅行を自粛せざるを得ないという中で、“地域に行く”という形での応援はどうしても難しい。そこで、家にいながら、応援したい宿、行ってよかったと思う宿を、「#お宿応援プロジェクト」をつけて投稿することによって、そのエールが宿の方たちに届いてほしいという、「#お宿応援プロジェクト」というものをやっております。また、コロナウイルスが終息してまた旅行に行きたいと当たり前にできるようになったとき、ハッシュタグを追うことで色々な方たちがおすすめしている旅館が見えるという形になっています。今どうしても暗いニュースが多いのですが、微力ではありますが少しでも明るい風を吹かせていけたらなとメンバー一同で頑張っております。
【the SOCIAL guestより】