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【解説】今年のシニアトレンド 「推し活で若返り」…107歳もJリーグ応援! 試合翌日は「血圧安定」?

2022年12月7日 22:39
【解説】今年のシニアトレンド 「推し活で若返り」…107歳もJリーグ応援! 試合翌日は「血圧安定」?

今年1年、みなさんは何に注目し、どんなものに時間やお金を使ったのでしょうか。12月、いろいろなものが発表される時期ですが、7日、今年の「シニアトレンド」が発表されました。

◇ スマホ利用率9割超
◇ 「○○」で若返り
◇ 外出メイクが復活!

以上の3点を詳しくお伝えします。

■「シニアトレンド」 6つのキーワード

昨年から女性誌「ハルメク」の「ハルメク生きかた上手研究所」が、アンケートや販売実績などの動向を調べて発表している、「シニアトレンド」が今年も発表されました。今年は6つのキーワードがあります。

【今年のキーワード】
◇スマ活シニア
◇推し活で若返り
◇AGEメイク
◇コンパクト終活
◇とっくにSDGs
◇素材まるごとおやつ

7日、街行く方にも率直な感想を聞いてみました。

60代(※スマ活シニアについて)
「お店のポイントためたりね。全部スマホで、薬屋さんから何から」

70代(※コンパクト終活について)
「コンパクト終活聞いたことあります。自分の趣味のものを捨てるとか」
「新潟なんですけど、最近ほとんど家族葬になりましたね、コロナになってから」

70代(※とっくにSDGsについて)
「野菜なんかでもちょっと変形した野菜なんかは全然平気だし」

「こんなに仰々しくいわなくても、逆にいまさらこんなことじゃなくてやってるよねって」

6つのトレンドの中から、「スマ活シニア」「推し活で若返り」「AGEメイク」の3つに注目したいと思います。

■利用率は90%以上! シニア世代も「スマホ」が当たり前

まずは「スマ活シニア」です。「ハルメク」は読者へのアンケートで、全国の55歳から74歳までの女性のスマートフォン、「スマホ利用率」を調べました。

「パソコン」の利用率は約40%で横ばいですが、スマホは2017年にパソコンを逆転した後ぐんぐん伸びていて、今年の調査ではなんと94.3%の人がスマホを利用しているということです。

7日、街で話を聞いた方たちも、かなり「スマ活」している様子でした。

例えば、70代の男性は家族でLINEを使っていたり、インスタグラムで風景の写真をアップしたり、またフェイスブックを情報収集に使っているということです。

また70代の女性は、スマホを歩数計としても利用したり、ユーチューブも見たりしているそうです。中でもピースの又吉さんの動画が好きで、「推し」だということで、寝る前に見て安心しているそうです。

■イニエスタ「推し」で…87歳“スペイン語”

続いて注目したいのが「推し活で若返り」です。

サッカーボールを前にみなさんで盛り上がっている写真。よく見ますと、青いユニホームを着て応援していますが、実はこれ、ワールドカップではなく、Jリーグ・カターレ富山「推し」のシニアのみなさんです。

実は、とある「推し活」のプロジェクトです。ほかにも、「勝て! 勝て! 勝て!」とJリーグ・ヴィッセル神戸に熱く声援を送るおばあちゃんたちもいます。最高齢はなんと107歳。みんな大盛り上がりです。中にはうれしくて涙を流す人もいました。

実は、この女性たちがいるのは、認知症のお年寄りが暮らす総合福祉施設「オリンピア兵庫」です。

このプロジェクトは「Be supporters!」と言いまして、Jリーグ4つのクラブが参加して、高齢者や認知症の方にサポーター、つまり「推し」になってもらい、「推し活」で“生きがい”や“日々の活力”が生まれてほしいというものです。

ちなみに、元スペイン代表の世界的ミッドフィールダー、現在はヴィッセル神戸でプレーするイニエスタ選手を推している服部千恵子さん(87)は、「イニエスタ選手の丸顔がかわいい」と大好きになり、エールを届けたいとスペイン語の勉強まで始めました。

普段は支えられる立場の高齢者が支える存在になる「推し活」をすることで、施設の職員の実感では、「食欲や睡眠が改善した」「応援の翌日や翌々日は血圧が安定する」「帰宅願望がなくなる(=自宅に帰りたいと訴える)ことが減った」などといった様子が見られるということです。

■華やかに…気分を「AGE」る化粧品は?

そして、今年のシニアトレンドの注目がAGEメイクです。

読み方は「アゲ」ですが、「気分が上がる」という意味と「シニアを意識したエイジ(age)」の両方の意味が込められています。コロナ禍もフェーズが変化しまして、シニア女性も「華やかにメイクして、おしゃれして」と外出マインドが高まった1年だったと分析しています。

そして、“ベースメイク”よりも、目元・口元の“ポイントメイク”が好調です。人と会って食事もしたりするので口紅もしっかりという意識があり、買い直しで今年は口紅もかなり売れたそうです。

   ◇

長いコロナ禍は、シニア世代の関心や価値観にもさまざまな変化をもたらしているようです。ライフスタイルがますます多様化する中、来年は、一体どんなトレンドが見えてくるのでしょうか。

(2022年12月7日午後4時半ごろ放送 news every.「知りたいッ!」より)