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冬になると耳にする…「放射冷却」ってなに? 寒い朝とそうでない朝の違いとは

2023年1月2日 21:00
冬になると耳にする…「放射冷却」ってなに? 寒い朝とそうでない朝の違いとは
放射冷却によって冷え込んだ朝(東京・渋谷)

「あすの朝は放射冷却が効いて、各地で冷え込みが強まるでしょう」…この時期になると、天気予報などでこんなフレーズを耳にすることが多くなります。この“放射冷却”とはどのような現象なのでしょうか。

■放射冷却とはどんな現象?

「温かなご飯やお風呂のお湯は、なぜ冷めていってしまうんだろう?」と思ったことはありませんか? これがまさに“放射冷却”。放射冷却とは、熱を持ったものが、その熱を外に放射して冷えることを言うのです。

実は地球も日々、赤外線という目に見えない光で、熱を宇宙空間に放出しています。それでも地球が冷え切ってしまわないのは、昼間に太陽の光を受け、太陽光線によって熱を得ているからです。

昼間は地球から出ていく熱よりも太陽から受ける熱のほうが強いため地表は温められます。そして夜は太陽光線が無くなりますが、赤外線として熱は放出され続けるため地表は冷えていきます。

そのため、冬の時期、放射冷却が効いた朝は特に気温が低くなって、東京都心でも氷点下の冷え込みとなったり、北海道の内陸部では氷点下30℃を下回るようなこともあります。

では、冷え込みが厳しい朝とそうでない朝とでは、なにが違うのでしょうか。

■厳しい冷え込み 雲は掛け布団?

その原因のひとつが「雲」の存在です。空に雲があるときは、雲が掛け布団のような役割を果たし、地表面から放出された赤外線を雲が吸収して、その一部を再び地表面に向かってはね返すため、気温の低下が妨げられます。逆に、雲ひとつなく晴れているときには地表の熱は上空へどんどん逃げていき、特に冷え込みが強くなります。

その他にも冷え込みが強まる条件がいくつかあります。

●空気が乾いていること
空気が湿っている、つまり水蒸気が多いと、水蒸気が雲と同じような役目となり、冷え込みを妨げます。

●風が弱いこと
風が強いと、地表付近の冷えた空気が、上にある暖かな空気と混ざり合うため、気温の低下を妨げます。

これらの条件がそろった夜から朝にかけては放射冷却が効いて、特に冷え込みが強まります。夜中のうちにどんどん冷え込んできますので、しっかり暖かくしてお休みください。

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