東京都“質の高い避難所”へ 災害時でも水洗トイレ使用を目指す独自基準など指針案を公表
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東京都は、大規模災害時の避難所の環境改善に向けた運営指針案を14日に公表し、都独自の基準として、災害時でも水洗トイレを使用可能とすることや、避難所運営メンバーの4割以上を女性とすることなどを盛り込みました。
東京都は、過去の大規模災害の教訓から避難所の環境改善を目指して運営指針の作成を進めていて、14日に素案を公表しました。素案には、避難所で清潔なトイレを確保するために都独自の基準として、災害時でも水洗トイレを使用可能とすることが示されています。
都によりますと、公道から都の指定避難所につながる下水道管の耐震化工事はおよそ8割完了しているとして、今後さらに整備を進めていくということです。また、仮に下水道管が損傷して水洗トイレが使えなくなった場合でも、その場で汚水処理ができる「自己処理型トイレ」や「マンホールトイレ」などを平時から準備しておくことが示されています。
都は“質の高い避難所”にするために、プライベート空間を確保する屋内型仕切りテントなどについても市区町村が購入する際の費用の半分を補助するとしていて、2025度の予算案で10億円を計上しています。
また、避難所の運営には女性の視点が重要だとして、運営メンバーの4割以上を女性とすることも盛り込まれました。
国内での災害時の避難所は、1人あたりの面積やトイレ事情など国際的にみても環境の悪さが指摘されていて、政府は避難所環境の抜本的な改善に取り組む方針を打ち出しています。
こうした中、東京都は先行して今年度末に避難所の環境改善に向けた運営指針を公表し、市区町村に対策づくりを進めるよう呼びかける方針です。