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緊急事態宣言の「解除」で分かれる対応

2020年5月15日 18:45
緊急事態宣言の「解除」で分かれる対応

政府の緊急事態宣言の39県の解除を受け、宣言の解除と継続で分かれた各都道府県。休業していた店舗などの対応も分かれています。

■宣言が解除された地域 夜の営業も再開

宣言が解除された特定警戒都道府県の一つ、福岡県の居酒屋。店員が、安倍総理の会見をじっと見ていました。

居酒屋の店員「2か月近くこの状況が続いて、やっとかといった思い」

今はテイクアウトのみの営業をしていますが、解除を受け、休業要請などが緩和されることを見越して、来週月曜日から夜の営業再開を決めました。

居酒屋の店員「普段から来ていただいていたお客様がいつも通り通って来ていただけるよう、我々もいつも通りにお出迎えできるようにしていきたい」

茨城県でおよそ1か月休業中のスイミングスクールでは「解除されたから通常通りやれるというわけではないという点ではものすごく不安。なかなかこう解除=バラ色になるとはとても思えない」という声も。

茨城県知事は、外出自粛や休業要請の緩和について「感染拡大はいつ何時起こるか分からない状況で緩和については慎重に進めていくことが必要」と答えています。

■工夫して営業も「まだ一概には喜べない」

同じく食い入るようにして会見を見ていたのは、群馬県草津町の温泉旅館の支配人です。

温泉旅館の支配人「解除されたからといって人が安心して温泉地草津に来ていただけるかどうかはまだ早い気がします」

こちらの旅館では、宿泊客を2つの棟に1組ずつに分けて泊まってもらったり、男女2つの温泉を宿泊者ごとに分けたりするなど、万全の対策をとった上で今月7日からすでに営業を再開しています。しかし、周囲からは厳しい言葉もあったといいます。

温泉旅館の支配人「草津町でコロナを出すなよと。もし間違って自分の旅館から(感染者を)出したらっていう心配はぬぐえないわけで」

そんなとき、旅館に届いた一通のメール「どうぞ負けないでください」。

温泉旅館の支配人「正直うれしかったです。ああ、やってよかったなという気持ちで頑張ろうと。本当に心強いメールでした」

今後については「一日も早く今までの生活を取り戻せたら、それに超したことはないですよね」と言いますが、今の段階では一概に喜べないとも話します。

■宣言維持の都道府県 自粛疲れも

一方、緊急事態宣言が「維持」されるのは、東京など8都道府県。

小池都知事は「13日に10人という感染者数で『1桁いくかな』と思っていたのが、14日になりますと30件。「もうあとひと頑張りふた頑張りしなくちゃいけないなと」と話し、都としての今後の方針を15日にも示す考えです。

引き続き自粛が求められる中、渋谷では先週の平日と比べると人は増えた様子。同じく、宣言が維持された神奈川県でも、商店街は人通りが多くなり、マスクをしていない人もちらほら見られました。

こうした状況に、神奈川県の黒岩知事は「(1日の感染者数が)東京都を上回るような数字なのは初めてではないか。ここで緩んじゃいけない。休業要請を解除するということは全く考えていない」と引き続きの外出自粛を呼びかけました。

■「苦渋の決断」分かれる飲食店の対応

そうした中、飲食店の対応も分かれ始めています。この飲食店では、さらに1週間休業を延長。お店の「休業を延長」のポスターを貼り替えました。

下町バルながおか屋上野店 前川社長「もう本当に大変で。苦渋の決断ではあります」

同じく「苦渋の決断」をした都内のしゃぶしゃぶ店では、経営している2店舗のうち1店舗を来月「閉店」することを決めました。

恵比寿まにん 三瓶大輔店長「急激かつ急速に売上げが下がってしまったので。早く決断しなければ2店舗ともなくなってしまうという。1店舗に集約して固定費をぐっと縮小して、じっとじっと我慢して、またいずれ再起できるように頑張っていきたい」

こうした中、休業要請の解除を待たずに再開に踏み切ったのは都内のスーパー銭湯。近隣住民から不安の声もあったといいます。

スパジアムジャポン 支配人「臨時休業している中で、持病の症状緩和のために温泉に通っていたという声や健康維持が目的で通っていたという声を本当に沢山もらって。なんとか応えたいなと」

再開にあたっては、入口に体温を測るサーモグラフィーを3台設置。座席や岩盤浴ができる場所も数を制限するなど、対策を徹底しているといいます。

残る8都道府県の宣言解除はいつなのか。政府は、専門家に改めて評価してもらい、可能であれば5月31日を待たずに解除するとしています。

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