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新型コロナ 集中治療体制強化を~中間報告

2020年5月27日 19:09

日本医師会の有識者会議は、新型コロナウイルスをめぐる集中治療の体制について検証し、重症者を救うためには、集中治療の病床と専門医、酸素などの物資をさらに確保する必要があるという中間報告を公表しました。

日本医師会の有識者会議は新型コロナウイルスの流行時の集中治療体制について検証し、中間報告をまとめました。

報告書によりますと、新型コロナウイルスの患者で人工呼吸器を付けた人の死亡率は、アメリカのニューヨークでは、およそ88パーセントだったのに対し、日本は19パーセントにとどまったということで、日本の集中治療のレベルの高さが死者数を抑えられた要因だと評価しています。

しかし、集中治療室のベッド数など「受け入れ体制に余裕はほとんどない」と指摘、重症患者が一定数を超えると、救命率の大幅な低下が懸念されるとして「ベッド数の確保は急務」だと訴えました。

そして、集中治療の専門医がほかの先進国に比べて少ないため、「マンパワーが最大の問題」と指摘し、専門知識を得るための研修の充実などを提言しました。

また、人工呼吸器に必要な液体酸素の安定供給なども重要だと指摘しました。

なお、厚労省の公表によると、5月15日時点で、東京都は、重症患者の受け入れ先を400床確保したとされていますが、日本集中治療医学会などが運営するシステムに対して、医療機関から申告された「受け入れ可能なベッド数」は185床で、大きく差があったとしています。

報告書では。各医療機関が都に「病床を確保した」と報告しながらも、実際の受け入れに即座に応じられなかったのであればその理由を考察することが重要だと指摘しました。