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「自粛の夏」 夏の風物詩は相次ぎ中止へ

2020年6月2日 20:52
「自粛の夏」 夏の風物詩は相次ぎ中止へ

6月1日夜、有志の花火業者が協力し、全国一斉に花火が打ち上げられました。ことしは新型コロナウイルスの影響で、すでに各地で花火大会の中止が決まっていますが、他にも夏の風物詩が相次いで中止に。今年の夏は、どうなるのでしょうか?

■8割の花火大会が中止決定

6月1日の午後8時、全国で一斉に花火が打ち上げられました。全国163の花火業者が協力して行われたものです。新型コロナウイルスの終息を願いつつ、全国の人に笑顔になってもらいたい、希望と元気を届けたい、という思いが込められているそうです。

今回の花火は、事前に知らせると人が集まって「密」になってしまうため、サプライズで行われました。打ち上げ時間も5分以内と決められており、感染予防策がとられたうえで実施されました。

コロナに負けるな、という思いが込められているのですが、もともと花火大会は江戸時代に「悪疫退散」の祈りをこめて東京・両国で打ち上げられたのが起源とされています。

花火業界は新型コロナウイルスの大きな影響を受けています。花火業者の団体の日本煙火協会によりますと、例年は全国200か所以上で花火大会が行われますが、今年は8割ほどはすでに中止が決まっているそうです。新潟県長岡市や東京・隅田川の花火もすでに中止が決まっています。

新型コロナウイルスの影響で春頃から花火の製造もストップしているということですが、夏を見越して仕入れた火薬の在庫を抱えてしまっている業者も多いそうです。湿気などの影響もあり、来年また同じものを使えるとは限らないということです。ですから、日本煙火協会の方は「小規模でもいいので打ち上げる機会があることを願うしかない」と話していました。

■夏祭り中止 経済損失は186億円超

夏の風物詩への影響は、他にもあります。

東北三大祭りの青森ねぶた祭、秋田竿燈まつり、仙台七夕まつり
徳島の阿波おどり
高知のよさこい祭り

これらすべて中止が決まっています。さらに、京都の祇園祭の山鉾巡行も中止が決まりました。これによる経済的損失は、関西大学の宮本勝浩名誉教授の試算によると、186億を超えるということです。

あらためて、地域経済への影響が大きいことがわかります。

■海水浴も相次ぐ中止

海水浴場も中止が相次いでいます。神奈川県の藤沢市や鎌倉市などは毎年夏は海水浴客で賑わいますが、今年はこうした海沿いにある13の自治体のうち11の自治体が、海水浴場の開設中止を決めています。横浜市は検討中とのことです。

周辺の飲食店などへの影響も大きそうですが、逗子市の桐ケ谷市長は「逗子は海が地場産業」でありながらも中止を決めた理由について「海水浴は不特定多数の方が広範囲からくるので、感染経路の追跡ができない。断腸の思いで、断念せざるを得ない」と話していました。

海水浴場が中止されると、、、

海の家がない
監視員がいない
救護所がない

状態になります。

海水浴場を開くということは、海水浴場条例にもとづいて監視員や救護所を設置しなければなりません。しかし、海水浴場を開かないと設置するルールがなくなり、安全に泳げなくなります。それでも泳ぎにくる人がいる場合、自治体などは「ゴミをどうするか、パトロールはどうするべきか」などを検討しているということです。 

今年の夏の旅行は悩ましいところですが、自粛生活を通して人と会ったり、話をすることの価値に気づいた人も多いのではないでしょうか。 まずは感染が広がらないように、私たち一人ひとり気を緩めずに対策を行わないといけません。

2020年6月2日放送 news every.『ナゼナニっ?』より

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