夏イベント続々中止 風物詩の○○もピンチ
新型コロナウイルスの影響で、花火や夏祭りなど夏恒例のイベントが中止となっています。イベント中止の余波で、あの夏の風物詩にも影響が出ています。
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茨城・行方市にある「天然屋」では、金魚すくいの塾や全国各地のイベント向けに金魚を販売していますが、今年は、注文が激減しているといいます。
天然屋・大河正人店主「やっぱりお客さんが集まるところで金魚すくいやるので、イベントがなくなってしまえば自然的に廃業の流れになっていくと思う」
新型コロナウイルス感染拡大防止のため相次いでいる今年の花火大会や夏祭りの中止。イベントがなくなれば商売は成り立たず、店を閉めることも覚悟しなければならないといいます。
天然屋・大河正人店主「来年まで持つか今年になるか、それはお客さん次第。このままでは廃業ですね」
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さらに夏の海も――。
鹿嶋市商工観光課・小堀修司課長「苦渋の決断ですが、海水浴は開設しない決定をさせていただきました」
茨城・鹿嶋市では、監視員の確保が困難で利用者の安全が確保できないなどとして、市内に2つある海水浴場をことしは開設しないことに決めました。
神奈川県でも多くの海水浴場が中止になるなど、異例の夏。
こうした事態に大きな影響を受けているのが夏向けの商品です。うちわの全国シェア9割をしめる香川県の丸亀うちわ。例年なら出荷のピークを迎える時期ですが、注文は激減しているといいます。
香川県うちわ協同組合連合会・山田時達会長「この仕事30年近くなるが、ここまで受注が減ったのは初めて」
例年と比べ7割以上、注文が減る見込みだといううちわ。このため、去年は深夜も稼働させていた工場では、8台ある製造ラインのうち1台しか稼働していない日もあるといいます。
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東京・日本橋にある、創業148年の浴衣や手ぬぐいなどの製造卸の会社「梨園染 戸田屋商店」にも影響が…。
梨園染 戸田屋商店営業部・小林拓也さん「通常、百貨店などにお売りする浴衣の反物ですけれども、今年は百貨店が休業が続いたので、こちら行き場のなくなった在庫になってしまっています」
百貨店の休業や夏祭りの中止などで浴衣や手ぬぐいの注文が減っているといいます。
こうした中、なにかできることがないかと発案したのが…色とりどりの手ぬぐいマスク。当初は社員向けに作っていましたが、4月から一般向けにも販売を始めました。地元の小学生も興味津々。ぬぐいの生地をそのまま使っているため通気性がよく、蒸れづらいといいます。
ピンチを迎える夏の風物詩。異例の夏を乗り切るための工夫も続けられています。