新型コロナ “爆発的な感染状況に…”警戒レベル引き上げ 「1週間後に第6波のピーク越え」予測も
14日、東京では新たに1万6662人の新型コロナウイルスの感染が確認されました。専門家は、「このままの増加割合が続けば、2週間後に東京都で1日の感染者が5万3000人を超える」と指摘し、警戒感が一気に高まっています。
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東京で新型コロナウイルスの感染が拡大していることについて、街の人に聞きました。
「ちょっとびっくりしました。急に増えてきたので、まだ終わらないんだなと」
「人の流動性が高まったのが大きいんじゃないかなと」
“第7波”に突入し、感染拡大が急加速しています。東京都の小池知事は14日午後4時すぎ、4回目となるワクチン接種を受けました。都民に3回目、さらには4回目の接種を促す狙いがあるということです。
その東京都の感染状況を分析する会議では、専門家は「この増加比が続けば、2週間後には(1日あたり)5万3000人を超える」と指摘しました。
国立国際医療研究センター 大曲貴夫医師
「感染拡大のスピードが急激に加速しております。今回の増加比が継続しますと、1週間後には第6波のピークを越え、これまでに経験したことのない、爆発的な感染状況になると」
これまでに経験したことのない爆発的な感染状況になるとして、感染状況についての警戒レベルを1段階引き上げ、約3か月ぶりに、4段階中、最も高い警戒レベルとしました。
また、医療提供体制についても、「通常の医療を制限し、体制強化が必要な状況」として、警戒レベルを1段階引き上げ、上から2番目としています。
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13日、全国でも約5か月ぶりに、9万人を上回る感染者を確認しました。感染拡大を受け、街の人は次のように話しました。
「遠出するのは気が引けるなって。自分がかかりたくないのもそうですし、周りの人にもうつしたくないなというのがあるので」
「今週、旅行に行こうと思っていたんですけど、それはキャンセルして」
不安の声があがる一方で、「正直もう『コロナ、コロナ』と、優先順位が高いわけではなくて、もっと通常に戻っていったほうが、よりいいんじゃないかなと」という意見もありました。
政府は、新型コロナ対策を話し合う専門家の分科会を開きました。分科会では、高齢者施設など介護の現場で定期的に検査を行う体制を整えるなど、検査のさらなる活用や室内での効率的な換気など、緊急提言が出されました。政府は15日、対策本部を開き、この提言をもとに新たな対策を決定します。
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感染拡大を受け、旅行業界にも影響が出ていました。
14日、斉藤国土交通大臣は「総理とご相談申し上げ、現在の状況は『全国旅行支援』を実施する、そういう状況にはないと、このように判断をしたところでございます」と述べました。
政府が新たな観光需要の喚起策として、今月前半の開始を目指していた「全国旅行支援」。その開始時期を延期すると発表しました。これに伴い、今月14日までとしていた「県民割」については、8月31日まで期限を延長するとしています。
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都内にあるホテル「BON 東京浅草」は、観光地・浅草に近く「全国旅行支援」に期待していたといいます。
リアテクノロジーズ・営業企画部 鈴木悠紀さん
「残念だなというのが一番あるんですけど、これから夏、秋、全国各地のお客様に来ていただきたかったので、非常に残念です」
利用者が少しずつ戻ってきていた中での今回の発表でしたが、鈴木さんは、「我々としても、この状況で大手を振って『観光に来てください』とは申し上げづらいですし、できれば感染者数も落ち着いて、気持ちよく旅行に来ていただく、そういう世界になっていただきたいなと思います」と話しました。