自粛要請遅れるほど入院増~西浦教授ら推計
新型コロナウイルスの流行の第2波にむけて、厚生労働省・クラスター班の西浦博教授らが、新たな推計を発表しました。都道府県が住民への自粛要請を出すタイミングが遅れるほど入院患者が大幅に増え、医療崩壊につながる恐れがあることが改めてわかりました。
北海道大学の西浦教授らは、実際の感染者数などのデータをもとに、新型コロナウイルスの流行が再び起きたと仮定し、自治体が独自に出す外出自粛などの要請のタイミングによって、入院患者の数がどれほど変わってくるかを推計しました。
大阪府で推計すると、1週間に報告される新規感染者数が10万人あたり2.5人になった「翌日」に協力要請を出した場合、要請を出してから22日後の時点で、入院している患者は1009人だったのに対し、「3日後」に要請した場合は1293人、「1週間後」だと2124人にのぼるということです。
西浦教授は「協力要請を出すのが遅れるほど、入院患者が大幅に増える。高齢者が多い地域では、入院患者はさらに多いと推計される」と指摘しました。
さらに、「感染者はなだらかに増えるとは限らず、ある日突然、クラスターが発生し、急増することも想定すべきだ」と述べました。
厚生労働省は、この推計の詳細を公表しました。そして都道府県に対し、次の流行が起きた場合、最大で必要となる病床数を7月中に推計して体制を整備するよう求めました。