交通事故“定期金賠償”最高裁が初判断
交通事故にあった男の子に重い後遺症が残り、両親らが事故を起こした運転手などに毎月支払いを受ける定期金による損害賠償を求めていた裁判の判決で、最高裁は「定期金による賠償の対象となる」とする、新たな判断を示しました。
この裁判は、2007年、当時4歳の男の子が大型トラックにはねられ脳に重い障害が残ったことから、両親らが運転手などに対し、損害賠償として毎月45万円あまりを定期的に支払うよう求めていたものです。
最大の争点は、交通事故の後遺症によって働くことができなくなったために失われた、「将来得ることができたであろう利益(逸失利益)」の損害賠償方法として、毎月の支払いを求める「定期金賠償」が認められるかどうかでした。
これまでに前例がない中、一審・二審では「定期金賠償」が認められ、最高裁の判断が注目されていました。
最高裁は9日の判決で、「交通事故の被害者が事故に起因する後遺障害による逸失利益について定期金による賠償を求めている場合において、目的及び理念に照らして相当と認められるときは、定期金による賠償の対象となる」として交通事故で後遺症が残った場合に定期金賠償を認めるとする初めての判断を示しました。
さらに、被害者が賠償途中に死亡した場合でも、その後の定期金の支払いを受け続けることができるとしました。
被害者の両親は判決を受けて、「定期金賠償が認められてよかった」とコメントしています。
この判決で示された新しい判断により、交通事故の被害者にとって救済措置の選択肢が増えることになります。