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「黄砂」ピーク入り……花粉にも影響、なぜ吸い込みやすく? “ダブルパンチ”でアレルギー悪化も 5月までピーク、対策は?

2025年3月26日 0:31
「黄砂」ピーク入り……花粉にも影響、なぜ吸い込みやすく? “ダブルパンチ”でアレルギー悪化も 5月までピーク、対策は?

中国大陸からの黄砂の飛来が、ピークを迎えました。有害な化学物質が付着していることも多い黄砂。直径は花粉の7分の1以下と小さいですが、花粉とぶつかることで破裂させ、花粉を非常に細かくしてしまう問題があります。健康への影響と対策を考えます。

■西日本~東日本の広い範囲で観測

藤井貴彦キャスター
「私たちの健康にも影響を及ぼすかもしれない、“春の厄介者”が到来しています。東京は25日、朝から空がぼんやりとかすんでいましたが、午後3時に今年初めての黄砂が確認されました。黄砂はこの日、西日本~東日本の広い範囲で観測されています」

「今後、黄砂はどんな影響を及ぼしそうなのでしょうか?」

■視界10~5km未満のところも

小栗泉・日本テレビ解説委員長
「既に、黄砂は九州から東北地方まで飛来しているとみられます。26日も日本列島に居座る見込みです。各地で見通せる距離が10km未満となり、5km未満となるところもありそうです」

「日本に来る黄砂は3月~5月がピークなので、まさに黄砂の季節が到来したという感じですね」

■黄砂の直径、花粉の「7分の1」以下

藤井キャスター
「ピークが始まったばかりということになりますが、そうなると心配なのが、健康への影響ですよね」

小栗委員長
「知っておいていただきたいのは、黄砂の大きさです。中国大陸の砂漠からはるばる日本まで飛んでくる過程でとても細かくなっていて、直径が花粉(30マイクロメートル)の7分の1以下の約4マイクロメートルになります」

藤井キャスター
「花粉と比べても、黄砂は非常に粒が小さいということですね」

■花粉が破裂…黄砂より細かくなる?

小栗委員長
「こうした小さな黄砂は都市部の空を飛ぶ間に大気汚染物質をくっつけて日本に飛来することがあります。埼玉大学大学院・理工学研究科の王青躍教授によると、まさにそれが問題だということです」

「日本に来た黄砂には有害な化学物質が付着していることも多く、花粉とぶつかると化学反応を起こして花粉の表面が傷つきます。その傷口から雨などの水分が入ることで花粉はどんどん膨らみ、耐えきれなくなると『ぼんっ!』と破裂してしまうことがあるそうです」

「もともと黄砂は非常に細かいですし、花粉は破裂すると黄砂よりもさらに細かくなることもあるということで、吸い込みやすくなり、のどだけでなく、気管支や肺まで入り込むこともあるといいます」

「環境省によると、黄砂にはぜんそくや肺炎など、脳梗塞や心筋梗塞などの他、かゆみや鼻水などを起こすアレルギーといった健康への悪影響との関連が報告されています。特に花粉とのダブルパンチで、アレルギーはよりひどくなる可能性もあるということです」

葵わかなさん(俳優・『news zero』火曜パートナー)
「私はアレルギー体質で、花粉対策で入れる時は1日2回ほどお風呂に入って(花粉を)流すようにしています。ここに黄砂も加わると『一体何回お風呂に入ったらいいんだ』という感じがしてしまいます。何かいい対策はありますか?」

小栗委員長
「とにかく吸い込まないことが大事だということです。環境省によると、黄砂の予報が出ている日は不要不急の外出を避ける、粒子が細かいので不織布マスクなどを着用することを呼び掛けています」

「また王教授によると、空気清浄機で黄砂を除去するには、黄砂よりもさらに小さいウイルス対応のものを使うのがいいということです」

藤井キャスター
「26日も黄砂は日本列島に居座るということですので、特に花粉症をお持ちの方は、つらい時期ですが対策をぜひしてください」

(3月25日『news zero』より)
最終更新日:2025年3月26日 0:31
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