新型出生前検査 無認定“54施設”
妊婦の血液でダウン症など胎児の一部の染色体異常を調べる新型出生前検査について、認定されていない施設が少なくとも54施設あることが、厚生労働省の初めての全国調査で明らかになりました。
新型出生前検査(=NIPT)をめぐっては、血液だけで胎児の一部の染色体異常の可能性がわかり、「命の選別」につながるとの批判もあります。
厚生労働省は、初めて、新型出生前検査の実態について全国調査を行いました。
この検査を受ける場合、検査を受ける前と後に、遺伝学の知識を持つ専門の医師等による遺伝カウンセリングを受けることが必須とされています。
そのカウンセリングを提供できる医療機関を日本医学会が認定する仕組みで、現在、大学病院など109施設が認定されています。
一方、22日、発表された調査結果では、厚労省の研究班がインターネット上を検索したところ、認定を受けていない施設が54か所見つかったということです。
無認定の施設は、東京や大阪など大都市に集中していて、美容外科と皮膚科が最も多く、産婦人科、遺伝診療科は少ない傾向がみられたということです。
一方、認定を受けた施設で実際にこの検査を受けた36人に聞いたところ、このうちおよそ4割が認定制度を知らず、認定制度を知っていても、自分が検査を受けた場所が認定施設であるか把握していない人もいました。
そして、検査を受けた動機は「高齢妊娠であること」が最も多く遺伝カウンセリングに関しては、「検査の精度などだけでなく、検査後に取りうる選択肢についても情報を求める」という意見があったということです。