初取材“新型コロナ元患者が血液提供”
新型コロナウイルスの元患者の血液を使う治療法について、海外で研究が行われていますが、日本でも、この治療法の研究にむけ、元患者が血液を提供する様子を初めて取材しました。
国立国際医療研究センターで、血液の成分「血しょう」を提供したのは、新型コロナウイルスに感染し、5月に退院した男性です。
ウイルスと闘って回復した元患者の血しょうには、ウイルスに対抗できる「抗体」が含まれていて、十分な抗体を含む血しょうを別の患者に投与すれば、回復を早める可能性があるのではないかと考えられています。
国立国際医療研究センター・忽那賢志医師「(回復者の)抗体を、抗体を持っていない人に投与するので、実際に体の中にいるウイルスをやっつけるわけですから、理屈からすると効くはずだろうと思っています」
血しょうを提供した元患者「この抗体を使って早く治療薬ができたら良いなと思っています。本当に世界のコロナを終結させたい」
中国の研究では、重症例で治療効果が示されたものの、症例数が足りず、結論は出ていないということです。
国立国際医療研究センターでは、元患者の血しょうを別の患者に投与する臨床試験の開始は未定ですが、これまでに、およそ20人から血しょうを採取し、引き続き提供者を募集しています。