夜間にも多い熱中症での死亡 対策は?
11日は関東で40℃超えとなりましたが、12日も東京は3日連続の猛暑日となりました。危険な暑さと感染症、どちらからも身を守らなければいけません。
室温が高くなると夜間も熱中症のリスクが高まります。どのように過ごすべきか解説します。
■熱中症の重症者が急増
12日の東京都の新規感染者は222人と、3日ぶりに200人を超えました。11日は188人。このうち6割を超える117人が感染経路不明でした。
12日の新規感染者の内訳を年代別で見てみると、20~30代が60.8%、40~50代が23.4%と、傾向は変わっていません。重症者は11日から1人減り、21人でした。
一方、熱中症で運ばれ、重症になる人も急増しています。
12日も東京は危険な暑さとなりました。午前11時すぎに気温は35.8℃まで上昇し、3日連続の猛暑日となっています。そして12日15時の時点で、熱中症で救急搬送された人は、5~97歳までの男女150人と発表されました。11日は15時時点で95人だったので、55人も増えています。
東京消防庁の管内で11日、熱中症とみられる症状で救急搬送された人は、ことし最多の250人でした。東京23区内では11日までに、60~80代までの7人の方が亡くなっています。
■熱中症で死亡事例 エアコン使用せず
埼玉県では11日だけで2人が亡くなりましたが、そのうち1人は行田市に住む70代の女性です。一緒に暮らしていた娘さんが、自室のベッドで倒れているところを発見したといいます。
発見された時、女性の部屋の窓は開いていましたが、エアコンは使っていなかったということです。通報した時間は午後9時すぎだですが、11日の付近の気温は夜9時でも32.3℃あったということで、気をつけないといけません。
■夜間に多い熱中症の死亡者 エアコン使用で対処
去年の東京23区のデータをみると、熱中症で亡くなった人は、日中が38人に対し、夜間は40人と、日中より夜間の方が多いのです。さらに、屋内で亡くなった人のうち、85.2%がエアコンを使っていませんでした。
夜中にエアコンつけて寝ることに抵抗感がある人も少なくないと思います。
たしかに昔はここまで暑くなかった気がしますが、睡眠環境プランナーの三橋美穂さんに聞いたところ「昭和の時代はこんなに暑くなく、薄着、扇風機で乗り切れた。“冷房なんてつけなくても大丈夫”とマインドセットされている。この考え方を変えなくてはいけない」と言います。
保温をしながら上手にエアコンを使うことが、熱中症を避けながら朝までぐっすり寝るための令和の時代の対処法だということです。
熱帯夜のエアコンの使い方ですが、三橋さんのアドバイスによると、まず「エアコンを朝までつけておく」。
室内の気温が28度を超えると、夜間の熱中症のリスクが高まるということです。設定温度は26~28℃が多くの人の適温に当てはまりますので、それぞれの適温を見つけてほしいということです。タイマーで止めると、切れたあとに室温が上がり夜中に目覚めるなど睡眠の質が低下してしまいます。
■“寝冷え”防ぐための服装・温度・寝具
エアコンをつけたまま寝ると「朝だるい」ということがある方もいるかと思います。実は、エアコンのつけっぱなしで体がだるくなる理由は“寝冷え”です。
そこで、つけっぱなしにする時「パジャマは長袖・長ズボンに」。この服装と布団でちょうど良い温度にエアコンを設定すると、体の周りの空間の温度が安定し、快眠につながるということです。
そして、寝つきをよくするために「温度は2段階で設定」。
2段階での設定とは、まず就寝の1時間前に低めの温度で室内をしっかりと冷やします。そして、寝るときには高めの温度に上げる、という2段階です。低めのまま寝ると、寝たあとに体温が下がるため、寝冷えのもとになります。設定温度を上げることで室温がゆっくりと上昇するため、寝入ったころに体が冷えすぎず、熟睡しやすい環境になるということです。
設定温度が人によって異なる場合、「暑がりさん」は、冷感寝具で調整するのがおすすめです。例えば冷たい枕や冷たい布団、シートなどがあります。そして「寒がりさん」は、パジャマや布団の厚みでの調整するのがおすすめです。
12日夜も熱帯夜の予想です。高齢の方、冷房嫌いな方もいるかもしれませんが、夜間も熱中症にならないよう、上手に温度調整してください。
(2020年8月12日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)