会計事務所から海上保安官に「異色の転身」
今年春、30歳で会計事務所の職員から海上保安官に転職した幹部職員がいます。なぜ、異色の転身をとげたのでしょうか。
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福岡県・門司海上保安部の巡視船「きくち」船のレバーを操作するのは、30歳で海上保安官デビューした幹部職員、吉川政伸さん。吉川さんは会計事務所の職員から転職した異色の経歴の持ち主なんです。
吉川さん「予算やお金というところで海上保安庁を支えるのがひとつ、(業務で)得た能力をどんな場面でもいかせる万能な海上保安官になりたい」
幹部職員を養成する海上保安大学校。これまで受験資格は高卒者に限られていました。しかし、海上警備の強化など海上保安庁の業務が複雑化・多様化する中新たに30歳未満の大卒者や転職者を採用するコースを新設。人材の幅を広げるのがねらいです。
その新たなコースの初の卒業生となった吉川さん。新人とはいえ、すでにチームを指揮する立場です。
吉川さんが乗る巡視船は鑑識業務に特化した船。自身の訓練を重ねながら海外の海上保安機関への研修も行うなど多岐にわたる業務で中心的役割をになっています。
法律の知識を身につけ前職で様々な企業の経営者と向き合ってきた吉川さん。その経験をいかした現場での活躍が他の乗組員への刺激になっているといいます。
吉川さん「働きやすい環境をつくっていける気配りが求められると思うので、組織全体を動かすというところを意識してやっていきたい」
海上保安庁に新たな風を吹き込む多様な経歴の持ち主に期待が寄せられています。