抗マラリア薬「メフロキン」コロナに効くか
新型コロナウイルスの治療に、あるマラリアの治療薬が役立つ可能性があることが、実験レベルでわかりました。これは21日、日本感染症学会で、国立感染症研究所の脇田隆字所長が発表したものです。
脇田所長らの研究グループは、新型コロナウイルスに感染させたヒトの細胞に、すでに使われているさまざまな薬を入れて調べたところ、「メフロキン」という、マラリアの治療薬でウイルスを大きく減らす効果がみられたということです。
脇田所長は、「新型コロナウイルスがヒトの細胞に入り込むのを阻害するとみられる」とし、「まだ細胞の実験での結果なので、今後、海外と日本で臨床試験を行いたい」と述べました。
「メフロキン」は、20年以上前から世界中で使われている経口の抗マラリア薬で、臨床試験で効果が確認された場合、治療だけでなく、感染を予防できる可能性もあるということです。