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火災で焼けた写真館、残ったデータで卒業アルバム制作 店主の思いは… 石川・輪島市から中継

2024年2月22日 16:34
火災で焼けた写真館、残ったデータで卒業アルバム制作 店主の思いは… 石川・輪島市から中継
能登半島地震の発生から53日目です。火災で焼けた石川県輪島市の写真館では、市内の高校の卒業アルバムを制作していました。店主のいまの思いを取材しました。中継です。

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大規模な火災が起きた輪島朝市からお伝えします。多くの人が訪れたこの場所は現在、人の姿がほとんどありません。

今回、取材したのは「わらびの写真館」です。1月1日の火災で、外壁以外のほぼすべてが焼けました。

写真館の店主・蕨野敬さんは、市内3つの高校の写真撮影を担当し、卒業アルバムの制作を請け負っていました。

蕨野敬さん「ここは成人式の写真がかざってありました。奥はカウンターがあって、後ろ作業場です」「終わったなと思いましたね。すべて何もなかったので」

蕨野さんは、地震発生当日は写真館の3階にある自宅に両親といて、輪島朝市の消火活動に参加しました。しかし、火の勢いが強く、十分な水もなかったため、あたり一帯は焼け野原となってしまいました。

蕨野さんが3年間、高校生を撮り続けてきたカメラも、レンズもパソコンも焼け、写真のデータが入ったハードディスクも焼失しました。

しかし、幸いにも地震発生前の去年12月に卒業アルバム用の写真データを印刷会社に送っていたため、大切な写真のデータはなくならずにすみました。

蕨野敬さん「生徒みなさんの思い出の1つになりますし、今後、宝物になっていくだろうアルバムなので、ぜひ届けたいなっていう思いがありますので。大切に持っていってもらいたい」

3つの高校のうちの1つ、県立輪島高校は3月1日に卒業式を行いますが、体育館の床が地震の影響で傾いてしまっているため、式は金沢市内の施設で行う予定です。

蕨野さんは、「人の笑顔の写真を撮影するのが好きだから、早くカメラを手に入れて人々の笑顔をまた撮影したい」と話していました。

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