知って下さいアイヌのこと 文化伝える学生
「イランカラプテ!!(こんにちは!!)」
日本の先住民族アイヌのことを知っていますか?
「ヌマン・ノンナアペ・クホク・ワ・ケク・ペネ・ア・ワ(昨日花火買ってきた)」
大学生の関根摩耶さんは自分のルーツであるアイヌ文化を守るため、アイヌ語で動画配信をしています。
関根摩耶さん「一番大事にしたいのは、地元だったり家族なので先祖から引き継いできたアイヌ文化、アイヌ語を私も残す努力をするのが少しでも恩返しにつながるかなと」
大学のゼミでも仲間たちにアイヌ語を伝えています。
関根さん「キムンカムイ。がる~」
山の神、ヒグマは“キムンカムイ”。シカは“ユク”。サケは“カムイチェプ”。神の魚。
アイヌの人たちは、文字を持たずアイヌ語を口づてに伝えてきました。
関根さん「来た人みんな受け入れるし。おもてなしするし。みんなで楽しむのが良いところ」
摩耶さんの祖母・雪子さん。
雪子さん「(雪子さんの体が?)織り機なんですよ。外でもどこでもできます」
織り機の一部を、腰にまきつけ編んでいく。それが、アイヌの織物「アットゥシ」。木の皮からはいで作った糸から作った、織物です。雪子さんは70年近く、この作業を続けています。
仕事の合間のおやつは「シト」。いなきびとコメをこねて作り、昆布しょうゆで頂きます。
関根さん「シトは団子という意味なんですよ。」
雪子さん「おいしい!」
関根さん「まだ味わってもいないでしょ!」
自然の恵みと人間の手で3か月かけた帯が、完成しました。
関根さん「“アイヌってカッコいい!すごいね!”とか、“アイヌうらやましいな”ぐらいの価値観を色んな人が持ってくれたら私はうれしいなと感じる」
アイヌの考え方や文化が、いま注目されています。
摩耶さんの母・真紀さんは、工芸作家。伝統的なアイヌ文様をアレンジしてシャツやネクタイを作ります。東京のセレクトショップでもアイヌ文様をあしらったアクセサリーや雑貨が、幅広い世代の人気を集めています。
アイヌの血を引く摩耶さんですが、自分がアイヌだと言いたくない時期もありました。
関根さん「おじいちゃんおばあちゃんたちが“あ、イヌ”って言われたとか、アイヌというのがマイノリティで、日本では差別・偏見につながることを理解していたので」
しかし、高校生の時、訪れたニュージーランドで、先住民族マオリから“アイヌ民族であることに誇りを持つべき”と教わりました。いまはアイヌとしての誇りを胸に、アイヌ語や文化を知ってもらう活動を続けています。
関根さん「アイヌってことにポジティブなイメージを持つ人が増えればいいと思う。文化とか民族とかに関係なく、それを“いいね”って言える社会はきっと素晴らしいし、器が大きい社会にあこがれを持っている」
※札幌テレビで制作したものをリメイク。2020年3月放送、NNNドキュメント「シリーズニッポンと日本人ヌカ?・ヤン・ヌ・ヤン ~知ってください アイヌのこと~」より。
今回は、アイヌ文化の普及と伝承に取り組む、慶応義塾大学3年の関根摩耶さんに直接話を聞いた。
(詳しくは動画で)
【the SOCIAL×NNNドキュメントより】