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「人種や肌の色で職質は違憲」 レイシャル・プロファイリング訴訟原告「互いを理解しあう一歩に」

2024年4月15日 18:26
「人種や肌の色で職質は違憲」 レイシャル・プロファイリング訴訟原告「互いを理解しあう一歩に」

人種や肌の色などの外見だけを理由に職務質問を行うのは差別で憲法違反だとして、外国にルーツを持ち、日本で生活する男性3人が国などを訴えた裁判が15日、東京地裁で始まりました。

パキスタンで生まれ、日本国籍のゼインさん(27)ら3人は、人種や肌の色などの外見だけを理由に職務質問などを行う「レイシャル・プロファイリング」は、差別で憲法違反だとして、国や東京都などに対し、あわせて990万円の損害賠償などを求めています。

15日に開かれた第1回口頭弁論で、原告のゼインさんは意見陳述を行い、1日に2回職務質問されたり、早歩きしているだけで呼び止められたりした経験を語りました。

また、ゼインさんは自身のことについて「『あ、この人、日本語うまいな』と思った人は何人いるでしょうか」と傍聴人らに問いかけ、「第一印象のままで相手に接すること。これが偏見や差別につながると私は考えます」と述べました。

ゼインさんは、職務質問については、「犯罪防止や治安維持に役立つ警察業務の1つ」だとして、「日本に住んでいる以上、警察に協力をする義務がある」との考えを述べた上で、職務質問をする際の透明性や信頼性が必要だと訴えました。

また、「今の日本社会には、外国人労働者が増え、日本で生まれ育っている海外ルーツの人も増えている」として、「この裁判が、お互いを理解し合える、いい一歩になるよう願っています」と語りました。

一方、国などは、訴えを退けるよう求め、争う姿勢を示しています。

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