「点検」装う強盗相次ぐ 身を守る術は?
いま、非常に怖い犯罪が相次いでいます。それが「点検を装った強盗事件」です。一体、どうすれば防げるのか、詳しくお伝えします。
■「点検強盗」相次ぐ 共通点は?
22日の午後5時ごろ、世田谷区・上用賀の民家に男2人が「ガス点検」を装って押し入り、高齢の夫婦を縛ったうえ、現金などを奪って逃走しました。
インターホンを鳴らし「ガス点検に来ました」などと話したといいます。2人ともマスク姿。1人は20代くらいで長袖シャツ、もう1人は50代くらいで紺色の上下だったそうです。
80代の妻が家に入れて応対していると、突然「騒ぐな!殺すぞ!金はどこだ!」などと脅したといいます。その後、夫婦の手足を粘着テープで縛ったうえ、現金6万5000円を奪って逃走しました。
ここ最近、この手のガスや消防などの点検を装う「点検強盗」が相次いでいるので、警戒して下さい。関東エリアでは、分かっているだけでも8月の終わりから松戸市、川崎市、鎌倉市などで相次ぎ、8月30日には東京・新宿区のマンションに男が消防の点検を装って上がり込み、住民の90歳の男性が3万円を奪われました。このとき男性は顔を殴られ、肋骨を折るなど大けがをしています。
8月末からわずか1か月ほどの間で、少なくとも9件発生しています。
実は、これらの事件の多くに共通点があります。
・ガスや消防の点検を装っている
・男が複数人で訪れる。2人が多いです
・高齢者の住宅が狙われている
・被害者の手足を粘着テープで縛り上げる
こうした点がよく似ているのです。
同一犯か、組織的犯行かと疑問に思いますが、こうした手口の強盗事件が相次いでいるため、警察は一連の事件の関連を捜査しています。
■事前連絡なしに「点検に来ました」はありえない
本物のガス点検はどういうものなのか。東京ガス広報部に取材をしました。
点検を行う際には、必ず点検日の7日~14日前までに、チラシなど「紙」で事前に訪問の案内をしているそうです。
東京ガスグループの作業員は、グレーやベージュの制服で左胸に会社のロゴ。必ず身分証を携行しています。不審な場合は必ず身分証の提示を求め、それでも不安な場合はお客さまセンターへ問い合わせをしてほしいとのことです。
東京ガスお客様センター
0570-002211
03-3344-9100
つまり、事前連絡なしに「点検に来ました」というのは絶対に怪しいと思って欲しいです。
■アポがあっても「ドアを開ける前に電話を」
それでも、いま起きている事件の中には事前に電話をして訪ねてきて強盗、というケースもあります。
そのような時はどうすればいいのでしょうか?防犯ジャーナリストの梅本正行さんに聞きました。
必ず覚えていてほしいことがあるといいます。
とにかく絶対に玄関ドアを開けないでください。いまはコロナで通販やネットショッピングと、お届け物が増えました。誰かが訪ねてくると、覚えがなくてもドアを開けてしまう人も多いといいます。 これまで「点検強盗」とお伝えしてきましたが、「訪問強盗」と思っていた方が良いということです。
色々なパターンがあります。たとえば、市役所などの職員を装い「近所でコロナの感染者が出たので消毒させてください」などと家に上がり込むケース。
とにかく、もっともらしい理由で家に入り込もうとするため、いきなりドアを開けてはいけないといいます。
知らない人からの訪問を受けた場合、まずインターホンで対応をする。身分証を確認するときも、内側からドアガードやドアチェーンをかけたまま会話をするのが良いそうです。
身に覚えのないガスや電気、行政などの訪問を受けた時は、ドアを開ける前に電話することが大事だといいます。
ガス会社や電気会社、役所の電話番号を一覧表にしておくのもいいです。マンションならば、管理会社の問い合わせ番号もあると良いです。なぜなら、「管理人の許可を得ています」と言って入ろうとするケースも多いからだそうです。
せっかく紙に書くなら「ドアを開けない!」なども忘れないように、大きく紙に書いておくのもいいですよね。
とっさに電話番号が分からない場合は、訪問してきた相手に「あなたの事業所の電話番号を教えてください」という手段もあります。
梅本さんは、「高齢者がこの家にいるとか、家にお金があるとか、犯人は調べてからやってくる」と言っていました。今回伝えた注意点は、高齢の家族に声を掛け合い、被害を防ぎましょう。
(2020年9月23日 16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)