×

3つのGoToに期待…一方、アパレルは今

2020年9月26日 4:01
3つのGoToに期待…一方、アパレルは今

政府が打ち出した『GoToイベント』。街の人からは、期待の声が。また、来月1日から『GoToトラベル』東京追加の方針も発表され、宿泊施設には問い合わせの電話が相次ぎました。一方で、“コロナ前より買わなくなった”のが服。アパレル業の倒産が相次ぎ、その影響は、服を作る現場にも──。

     ◇◇◇

西村経済再生担当相「GoToイベントについては、こういった様々な文化芸術スポーツのイベントについて、上限2000円2割まで支援をしようと」

政府が打ち出した『GoToイベント』。対象となるのは、文化芸術分野ではコンサートや演劇、美術館・博物館、テーマパークなど8つ。チケットを購入すると2割相当の割引、または館内・園内で使えるクーポンが配布され、どちらも最大2000円となっています。

政府は、来月中旬にも参加する事業者の募集を始めるということです。

     ◇◇◇

『GoToイベント』の対象となる、映画館。チケット代1800円が2割引きされ1440円になります。

会社員(20代)「(今年)社会人になって(チケット代が)高くなっちゃったので、すごくそれは大きいです」

学生(19)「率直にうれしいというのはあるけど、コロナ(感染拡大)の都合でよしとしない人もいるのかな」

同じく対象となるテーマパーク。ディズニーファンは──

ディズニーファン(20代)「めっちゃそれはうれしいです」

東京ディズニーランドなどの人気テーマパークが『GoToイベント』に応募した場合、入園料の割引ではなく園内で使えるクーポンを配布するとみられています。

ディズニーファン(20代)「(クーポンが配られたら)手におさまりきらないくらいのプーさんを買って帰りそうな気がします」

ディズニーファン(12)「こっそり色々な人にお土産を買ったりしてあげたいです」

また、『GoToイベント』はスポーツ分野も対象。試合観戦やスポーツイベントでも入場料や参加料の2割相当が補助されます。

いずれの分野も客に検温などの体調チェックをすることや、マスク着用率100%、大声を出させないようにするといった、感染対策を徹底していることが条件となります。

     ◇◇◇

一方、“GoTo”といえばもう一つ。

西村経済再生担当相「『GoToトラベル』事業、東京を加えることにつきましても10月1日から開始していくことになります」

来月1日からの『GoToトラベル』東京追加の方針を改めて発表。これで、忙しくなっているのは──

ホテル宿泊予約担当「ホテル椿山荘東京、宿泊予約でございます。4万1000円、こちらからGoToキャンペーンの割引が適用となりますと、ご精算額が2万7000円ちょうどでございます」

別の電話に対応中も、問い合わせの電話が相次ぎました。

例えば1人1泊4万円の国産牛のステーキもついた宿泊プランの場合、『GoToトラベル』で宿泊費が35%引きとなり、1人2万6000円に。都民限定の都の観光支援策もあわせて使えば、さらに5000円引かれ1人2万1000円と、およそ半額になります。来月1日からは、庭園に“雲海”が登場する演出も。『GoToトラベル』を機に、1人でも多く集客を目指します。

ホテル担当者「ホテル開業以来初めて休業を経験しまして、大変厳しい状況でございました。感染者の数が増えないように祈るばかりですけれども、(「GoToトラベル」は)お客様にとってもホテル業界にとっても、大変、大きな期待をもっております」

トラベル、イベント、イート。事業者が期待をよせる3つの“Goto”。政府の専門家は、こうした支援事業について、改めて──

政府の分科会・尾身会長「(感染)ステージ3みたいな感染が拡大して、色々なところで逼迫(ひっぱく)してくる、医療なんかも。そうした場合にはイベントの中止やGoToトラベル事業を除外することなども含め、躊躇(ちゅうちょ)なく行っていただきたい」

さらに──

政府の分科会・尾身会長「人々の行動様式を変えるだけで、地域を越えて感染が広がる可能性を低くすることができる。GoToキャンペーン各事業においては、新しい生活様式を国民に定着してもらうための契機にしていただきたい」

新たに195人の感染が確認された東京。死者は4人増え、中には腎臓に基礎疾患があった50代の男性も含まれています。家庭内感染が27人、飲み会やパーティーなど会食で感染した人が8人いて、東京は2日連続で200人近い感染者となりました。

     ◇◇◇

こうした中──

「試着とか(コロナが)怖くてできなかった。(サイズなど)着てみないとわからないものは買わなかった」

「ずっとパジャマでした。部屋着に着替えて、夜パジャマになってみたいな」

「誰かに見せるために楽しむファッションっていうのが、コロナの時にだいぶ減りました」

“コロナ前より買わなくなった”のが服。信用調査会社によると、今年2月以降、アパレル業の倒産件数は57件にのぼっています。

都内のセレクトショップ『ROL』では──

マネジャー「一番悪いので(売り上げは)半分ですね。来年になると完全に(コロナの感染状況が)よくなるとは言えないので、(春服を)注文する量は調整して減らしている」

     ◇◇◇

その影響は、服を作る現場にも。縫製工場『株式会社マーヤ』では、レースのスカートやウールのワンピースなど、1つ1つ手作業で作り上げていますが……

──影響を感じ始めた時期は?

縫製工場・社長「4月の後半くらいからですかね。急に『生産・納品を待ってくれ』と依頼されてきて、その次に(発注の)数がどんどん減っていく」

本来であれば、コートなど冬物の注文が多く入る時期。しかし……

──例年だとこの紙がもう少し(多い)?

縫製工場社長「この倍もう一枚(予定表が)あるのが普通なんですけど…」

そこで始めたのは。

縫製工場・専務「お医者さんが着る医療用ガウンを、普段は作っていないんですけど、今年の4月から緊急で生産しています」

医療用防護服を月に1万着ほど生産。しかし、以前の売り上げにはほど遠いといいます。

縫製工場・社長「50年以上続けているので、これからも続けたいと思って、今はアパレルの仕事と(医療用)ガウンの仕事を並行しながらなんとかやっていこうと」


9月25日放送『news zero』より。