認知ゼロなのに?シューマイ町おこしのワケ
魅力度ランキングで最下位に転落した栃木県で23日、新たな動きがありました。栃木県の鹿沼市が掲げたのは“シューマイ”を使った町づくり。タッグを組んだのはあの老舗シウマイ店です。
ふっくらとした食感が楽しめる崎陽軒のシウマイ、といえば横浜市の名産品というイメージですが。
そのイメージとはほど遠い街が崎陽軒とタッグを組んでシューマイで町おこしをしようとしているのです。それが…。
鹿沼商工会議所 木村剛考会頭「鹿沼もシューマイで、なんとか名をあげていければと」
崎陽軒の本店がある横浜市から、はるか遠くの栃木県鹿沼市がシューマイで町おこし。
横浜市民「(シューマイは)横浜のものなのになみたいな」「まあ負けないと思います横浜は」
横浜市民が、負けないというのは、それもそのはず。
鹿沼市がある栃木県といえば、観光地の魅力や認知度などを調査する「都道府県魅力度ランキング」で先週、最下位に転落したばかり。
栃木の地元グルメといえば宇都宮市のギョーザのイメージ。今回シューマイで町おこしをするのはその隣にある鹿沼市です。
“鹿沼のシューマイ”について鹿沼市民に聞いてみると…。
鹿沼市民「なんでシューマイか…全然わからないです」「シューマイは思いつかないですね。ピンとはこない」
地元の人ですらピンとこない“鹿沼のシューマイ”。なぜ、崎陽軒が町おこしで、タッグを組むのでしょうか?
崎陽軒 野並晃専務「崎陽軒の初代社長の野並茂吉が、栃木県鹿沼市の出身でございまして」
実は崎陽軒の初代社長は、栃木県鹿沼市の出身。
町づくりを進める鹿沼市の商工会議所が、その業績にあやかり、来年秋を目途にして、地元グルメがない鹿沼市にシューマイを根付かせようと奮闘しているのです。
実際に地元グルメで成功した例といえば、静岡県富士宮市の「富士宮やきそば」、PR後、9年間でおよそ439億円の経済効果がでているといます。
シューマイでの町おこしについて、大正14年からシューマイを提供しているこちらのラーメン店では…。
安喜亭 堀井秀一店長「まあ有名になればいいと思いますね」
ところがこちらの店主、ある心配が…。
堀井秀一店長「少ないと思いますよ数が、シューマイを扱っているところというのは。(シューマイの店は)ほとんどないですね」
実は鹿沼市内では、まだシューマイを提供する飲食店が少ないといいます。
そこで、地元の飲食店が新たなシューマイの開発に乗り出しています。こちらのウナギ料理店では…。
土用亭 福田桐子若女将「こちらが試作中の“うなにらしゅうまい”になります」
なんとウナギを使ったシューマイを試作中。秘伝の蒲焼きのタレをかけて、特別に試食させていただきました。フワッと柔らかいシューマイの中に、ごろっと入ったウナギがすごくマッチしています。
国産のウナギと、地元の豚肉などを使った、こちらの一品、来月下旬ごろの販売を目指しているということです。
シューマイ町おこしで期待しているのは飲食店以外にも。
栃木・鹿沼市のニラ農家 福田晃一さん「こちらがこれから出荷される、我が家の自慢のニラです」
それはニラの農家。シューマイの具材にニラはあまり使われませんが、鹿沼市の特産品のニラで、今後、崎陽軒がニラシウマイをつくるかもしれないと期待しています。
福田晃一さん「(ニラは)マイナーな作物なので、少しでも皆さんに知っていただいて、食べていただければ幸いって思います」
認知度がほぼゼロの状態からはじめる、鹿沼市のシューマイ町おこし。
鹿沼市の商工会議所は地元グルメとして定着するように努力していくということです。