コロナで「居場所ない」相談急増も…課題は
新型コロナの影響で心のケアを求めて、ある相談所には、「死にたい」「居場所がない」などといった相談が、若い世代を中心に多い日で一日1800件寄せられたといいます。そのすべての悩みに答えられない、切実なワケが。
◆“居場所のない女性たち”相談室…一人で抱え込まないで
神奈川・横浜市のNPO法人「BONDプロジェクト」が新たにつくった、10代から20代の“居場所のない女性たち”が立ち寄れる相談室。
いま、新型コロナの影響で様々な悩みを抱える人が増え、SNS相談にも一日100件ほどが寄せられるといいます。
──父がコロナで仕事が少なく休みが多いので母もピリピリしていてあまり関わりたくない
──休みの日になかなか出掛けれないです
──自由に過ごしたいです
ずらりと並ぶ、「コロナ」に関する相談。このNPOの代表、橘ジュンさんは……
橘ジュンさん「外出自粛とか休業要請とか、行く先がなかったり、一人で抱え込む追い込まれるような状況にもなったかなと。一人で抱え込まないで話してほしい」
◆若い世代の自殺増加…相談件数増加で課題も
厚生労働省によると、今年7月以降の自殺者数は、前の年の同じ月と比べ、3か月連続で増加。8月の自殺者数を年代別で見ると20歳未満がおよそ2倍、20代がおよそ1.4倍となるなど、特に若い世代の自殺が増加していています。
求められる“心のケア”。しかし、相談件数が大きく増加したことで、ある“課題”を抱えているところも。東京・豊島区の『東京メンタルヘルス・スクエア』では──
相談員「本当にコロナの相談が多くなっていて」
寄せられた相談の中には、「居場所がない」「死にたい」というものも。多い日には一日で1800件相談が寄せられたこともあるといいます。
当初6人だった相談員を14人に増員しましたが……
理事長「それでも(相談員が)まだ足りない。それなりの知識とトレーニングが必要なので、すぐに即席で人数を増やすことができない」
現在は切迫度が高そうな相談から対応していますが、今後、できるだけ多くの相談を受け入れる体制をつくっていきたいとしています。