外出自粛とテレワーク “コロナ膝”に注意
外出自粛とテレワークが増えるなか、いま足腰の不調を訴える人が多いといいます。特に深刻なのが膝に痛みなどを感じる、“コロナ膝”だといい、注意が必要です。
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外出自粛が続く中、街の人から多く聞かれたのは、運動不足に伴う「カラダの悩み」です。
大学生(20代)
「外行く機会が圧倒的に減ったので、単純に体力がなくなったなと。ちょっと久々に外に出る機会があると結構疲れる」
就活生(20代)
「ずっと座っているので腰が痛くなったり、肩が痛くなったり。パソコン作業が増えるので」
PC作業する会社員(30代)
「座り作業も多いので腰が痛くなってしまうことが多い。同じ姿勢でいることが多いので」
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足腰にご利益があるという神様をまつる東京・台東区の延壽寺。
絵馬には健康な足腰を願う言葉がずらりと並んでいました。ここはまさに足腰の悩みの「駆け込み寺」。
外出自粛の影響で参拝客は激減していますが…
延壽寺・住職 竹内煌雲さん
「コロナ禍で外に出ることができなかったり、お年寄りも、まだワクチンがなくて(外に)出られないので心配だという方、割合的には増えているような気がします」
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都内の整形外科で相談が特に増えているというのは「腰の痛み」です。
苑田会人工関節センター 杉本和隆病院長
「パソコンとかデスクワークに向かってますと、常に前かがみ。その姿勢が腰・首に悪いわけです」
テレワークをする60代のサラリーマンのエックス線写真では…
苑田会人工関節センター 杉本和隆病院長
「インナーマッスル、これが1年前なんですけども、1年たった時に(筋肉が)細くなっちゃってる。これがこの人の腰痛の原因。ずっと座りっぱなしでパソコンをやっていたようです」
運動不足で筋力が衰えるなどして、腰への負担が大きくなったためとみられています。
実はこうした腰痛は若い世代にも広がっているといいます。
苑田会人工関節センター 杉本和隆病院長
「今まで経験したことない腰痛が出る方もたくさんいる。半年、1年かけて突然なる。誰でも予備軍になりうると思う」
コロナ禍での身体の変化を研究してきた教授は、特に増えたのが「膝の痛み」だと話します。
京都大学大学院・医学研究科 青山朋樹教授
「自粛期間でテレワークなどでなかなか運動をされない方々が膝の不調だったりとか、違和感だったりだとか、あるいは痛みだったりだとか、そういったものを感じられる。これを“コロナ膝”と呼んでおりまして」
青山教授がオムロンと共同で行った研究では、コロナ禍以前に比べて「膝に違和感を持つようになった」と答えたのは約2割。筋力が衰えて膝に負担がかかることなどで「膝が痛む」、「力が入りづらい」などの回答があったといいます。
まだまだ続く外出自粛生活。
苑田会人工関節センター 杉本和隆病院長
「必ず1時間以上、同じ姿勢で座っていないこと、スクワットとか、ホームエクササイズをする、できれば午前・午後10~15分はお散歩とかおでかけで歩いていただく」
ケガをしないためにも、医師は“適度な運動”が大切だと話していて、不調を感じたら早めに相談してほしいとしています。