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近づく冬 効率のいい換気方法は?

2020年10月30日 20:34
近づく冬 効率のいい換気方法は?

11月も近づいて、朝晩はぐっと冷え込む季節になってきました。 そんな中、気になるのが、寒い中での換気です。新型コロナウイルス対策の中で迎える冬、効率の良い換気方法について詳しくお伝えします。
 
■これから寒い冬本番
 
これから全国で、冬本番を迎えます。来週にかけて、もっと寒くなる予報です。 
 
東京都心の最低気温は、30日は13.9℃でした。 これでも寒く感じましたが、31日の最低気温の予想は10℃、11月1日は9℃、11月5日には8℃まで下がる予報です。最高気温と最低気温の差も大きくなります。 
 
■帰ったら、まず暖房を
 
北海道などで新型コロナの感染者が増えています。政府の分科会では、冬に向けて寒冷地の換気についても話し合っています。 空調機のメーカーに、換気について聞きました。 
 
ダイキン工業によると「帰ったら、まず暖房をつけることが大切だ」といいます。 夏は帰ったとき、まず窓を開けて換気をしてから、冷房をつけていました。しかし、冬は帰ってきたら、まず暖房をつけて部屋がしっかり暖まってから、窓を開けて換気します。そうすることで、窓を開けて冷たい空気が入ってきても、床や壁の熱を感じられるというわけです。 
 
■一番のおすすめは、換気扇を常時使うこと
 
しかし、真冬に換気して体調を崩したら本末転倒です。そうならないためにどうしたらいいのでしょうか。 換気に詳しい北海道大学の林基哉教授に聞きました。 
 
一番のおすすめは、「換気扇を常時使うこと」です。 
 
2003年以降に建てられた建物なら、24時間換気システムの設置が義務化されているので、それを常にオンにしておくことが大切です。 スイッチが入っているか、フィルターが詰まってないかをチェックしましょう。この換気システムがついてない家の人でも、風呂やトイレの換気扇を常時つけていれば、家の広さなどにもよりますが、ほぼ換気システムに近い効果が得られるそうです。 
 
人が集まるなどリスクが高い時は、換気扇に加えて窓を開けることも必要です。 ただ、林教授は「あくまで室温を維持できる範囲で窓開けを」と話しています。 
 
なぜかというと、WHO(世界保健機関)のガイドラインでは「室温は18度以上に保つべき」とされています。 林教授によると、高齢者の場合は22度以上が健康維持のためには必要であると言われています。 
 
■室温を保ちながら窓を開ける2つの方法
 
では室温を保ちながら、窓を開けるにはどうしたらいいのでしょうか。
 
以下の2つ方法があります。 
(1)1時間に2回程度、窓を大きく開ける方法 
(2)窓を少しだけ 常時開けておく方法 
 
両方に共通しておすすめなのが、「間接的な換気」です。 
 
(1)1時間に2回程度、窓を大きくあける方法
自分のいる部屋の扉は閉めて、隣の部屋などの窓を1時間に2回程度ガッと開けて、その部屋の空気を入れ替えます。窓を閉めた後、境のドアやふすまを開けて、部屋同士の空気を入れ替える方法です。 
 
(2)窓を少しだけ 常時開けておく方法 
部屋同士の扉を開けたまま空気が通るようにして、遠い部屋や廊下の窓を少しだけ常に開けておく方法です。 
 
林教授によると、どちらかというと「少しだけ常時換気」の方が室温を保ちやすいそうです。 
 
どれくらい窓を開けるかは、外の寒さによって違います。室内と外の温度差が大きければ大きいほど、たくさん空気が入れ替わります。そのため、外が寒ければ寒いほど、開けるのは、少しで大丈夫です。あまり寒くないときは、10cm以上開けるのが良いということです。 
 
いずれにしても、何が何でも換気をしなければと無理に窓を開けると、結局、寒くて諦めてしまうと思います。また1人暮らしなど、感染リスクがそもそも低い場合は無理に窓を開ける必要もありません。 それぞれの状況に応じて工夫しながら適切に、無理ない範囲で換気をすることが大切です。 
 
 (2020年10月30日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)