クルーズ船 外国人医療費に公費2.7億円
新型コロナウイルスへの感染が広がったクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に乗っていて陽性となり、入院した外国籍の人の医療費約2億7200万円を日本政府と自治体が負担したことがわかりました。
国際医療福祉大学の和田耕治教授は、ダイヤモンド・プリンセスからの患者を受け入れた医療機関91か所を対象に調査し、63か所から回答を得たということです。
それによりますと、それらの医療機関に入院した外国人342人の治療にかかった費用は合計2億8843万円でした。このうち、保険が使えない衣料や飲食代、差額ベッド代、通訳代など合わせて約1000万円のほとんどは、医療機関が船会社に請求したということです。
一方、保険診療の医療費のうち、患者や船会社が負担した額はごくわずかで、約98%にあたる2億7219億円は、医療機関からの請求によって、日本政府や自治体が負担したことがわかりました。
新型コロナウイルスは指定感染症のため、保険診療の医療費は、日本人だけでなく、外国人も患者負担なしで、原則、公費でまかなうことになっています。今後、オリンピック・パラリンピックで来日外国人が増えるとみられる中、新型コロナウイルス感染症の医療費をどこまで公費でまかなうのか、検討が必要になりそうです。