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「立皇嗣の礼」徹底解説

2020年11月13日 16:36
「立皇嗣の礼」徹底解説

月に一度の「皇室日記@theSOCIAL」です。長年皇室取材に携わって来た日本テレビ客員解説委員の井上茂男さんと共に皇室に関わるニュースをお届けします。今回は、8日、皇居で行われた「立皇嗣の礼」について解説します。

8日、皇居では、秋篠宮さまが皇位継承順位第1位の皇嗣であることを内外に示す「立皇嗣の礼」が行われました。この日午前中には、皇居・宮殿「松の間」で、「立皇嗣の礼」の中心儀式である「立皇嗣宣明の儀」が、午後には、「朝見の儀」が行われ、秋篠宮さまが天皇皇后両陛下にお礼の言葉を述べられました。

秋篠宮さま「立皇嗣宣明の儀をあげていただき、誠に畏れ入りました。皇嗣としての務めを果たすべく、これからも、力を尽くしてまいりたく存じます。ここに、謹んで御礼申し上げます」

天皇陛下「立皇嗣宣明の儀が行われたことを、誠に喜ばしく思います。これまでに培ってきたものを十分にいかし、国民の期待に応え、皇嗣としての務めを立派に果たしていかれるよう願っています」

雅子さま「この度の御儀が滞りなく行われましたことを、喜ばしく思います。どうぞ、これからもお健やかにお務めを果たされますように」

去年から続いた代替わりの一連の国の儀式は、これで全て終了となりました。


――井上さんはこの「立皇嗣の礼」をどのようにご覧になりましたか?

新型コロナウイルスの影響で4月の予定が7か月延びて行われました。今の天皇陛下の時は「立太子の礼」でしたが、今回は「立皇嗣の礼」でした。「皇嗣」は「皇室のお世継ぎ」という意味です。「皇太子」は皇嗣である天皇の子のことですので、天皇の弟は「皇太子」とは言えず、「皇嗣」という言葉が使われました。秋篠宮さまは「皇嗣としての責務に深く思いを致し」と述べられましたが、それは次の天皇という立場に対する決意と聞きました。

――雅子さまのお言葉もありましたね。

公の行事でお声を聞くのは、静養前の平成15年以来、17年ぶりです。うれしく聞きました。これで代替わりに伴う一連の行事はこれですべて終わり、コロナ禍下ではありますが「令和の皇室」の活動が本格的に始まっていくのだと思います。

――今後の皇室の日程で注目の点はありますか?

「立皇嗣の礼」が終わり、これから始まる「安定的な皇位継承のあり方に関する議論」に注目しています。秋篠宮さまより若い皇位継承者は悠仁さま一人です。もう待ったなしの状況です。菅総理は4日、国会で「男系継承が古来例外なく維持されてきた重みを踏まえながら慎重かつ丁寧に行う必要がある」と述べましたが、現状の男系継承でいいのか、女性天皇、女系天皇に広げるのか、国民と共にある皇室にふさわしい継承について、冷静に考えていきたいと思います。