ニセコで“異変”温泉井戸が水位低下のワケ
外国人観光客らを中心に人気が高まっている、北海道のリゾート、ニセコで、ある異変が起きています。温泉をくみ上げる井戸の水位が、年々低下しているというのです。一体、何が起きているのでしょうか。
北海道屈指の観光地「ニセコエリア」。人気のワケは上質な雪、だけでなく。スキーで冷えた体もポッカポカ。スノーリゾートの中心地、倶知安町ひらふ地区は、温泉付きの宿泊施設が集中する国内有数の温泉地でもあるのです。
しかし、源泉が減ってきているといいます。
北海道の研究機関が、この、ひらふ地区にある源泉の井戸で水位を測ったところ、この3年間で15メートルほど水位が下がっていることがわかったのです。
宿泊客からは…。
宿泊客「心配ですね」
こちらのホテルでは現状大きな影響はないといいます。
一方で町内の別のホテルからは、今後さらに水位が下がってお湯をくみあげられなくなった場合、井戸をもっと深く掘る工事をしなければならないと、不安の声があがっているのです。
こうした中、北海道は…。
北海道保健福祉部 萩谷友洋さん「来年の9月15日から温泉の掘削を一部制限することとしました」
宿泊施設が密集している「ひらふ坂周辺」を、これ以上温泉が掘れない「保護地域」に指定するなど、新たなルールを定めたのです。
そもそもなぜ、源泉の井戸の水位が下がる現象が起きているのでしょうか。
考えられている原因が、コロナ禍で観光客が減っているにもかかわらず、依然衰え知らずの「リゾート開発」ラッシュです。
北海道保健福祉部 萩谷友洋さん「(リゾート開発ラッシュで)地域の源泉数や温泉の利用量が倍増しているので、温泉資源の需給バランスが崩れてきている」
限りある温泉資源を守るため、北海道は過剰なリゾート開発を、おさえていくことが必要だとしています。