製造や出荷で“睡眠導入剤”混入に気づかず
福井県あわら市の医薬品メーカーの薬を服用した患者が死亡した問題で、メーカーが会見を行い、製造や出荷の段階で睡眠導入剤の混入に気づいていなかったことを明らかにしました。
小林化工・小林広幸社長「今回このような重大な過失をおかしたことに関して、改めて深くおわび申し上げるとともに、責任の重大さを痛感している」
あわら市の小林化工によりますと、亡くなったのは首都圏の医療機関で治療を受けていた70代の女性だということです。睡眠導入剤の混入で眠気やふらつきなどの健康被害が出ているイトラコナゾール錠50「MEEK」を服用した患者で、入院した経緯や死因との関連は現在調査中です。
小林化工のこれまでの調査で、薬の製造は担当者が2人一組で行うはずでしたが、これを守らず1人で作業していたために睡眠導入剤を誤って混入させてしまった可能性が高いということで、出荷段階の最終確認でも薬の異常に気づかず、そのまま流通させていました。
小林化工・小林広幸社長「薬というものに対する信頼をなくしたと同時に、ジェネリック医薬品の信頼に対しても大きな影響を与えてしまった」
小林化工では健康被害が133件に及んでいることを明らかにし、近く第三者の委員会を立ち上げて、作業工程に問題がなかったかや再発防止策を検証することにしています。