おトクに食卓に“ミナミマグロ”そのワケは
極上のマグロが集まる静岡県の焼津港。こちらの自慢は、赤いダイヤとも呼ばれる「ミナミマグロ」です。連日水揚げされるマグロですが、今後、いつもよりおトクにいただけるかもしれません!そのワケとは。
マグロの水揚げ日本一を誇る静岡県。その中でも。
焼津漁協市場部・青木康晴部長「あれがマグロツリーです。今日はクリスマスイブです」
世界中から「極上のマグロ」が集まるのが、ここ焼津漁港です。港には大型漁船が続々集結。巨大マグロが次々と水揚げされていく、ど迫力の光景がすぐ目の前に広がります。そして、その多くが。
青木康晴部長「タグがついているのがミナミマグロですね」
南太平洋やインド洋など、南半球でとれる「ミナミマグロ」です。お昼時、漁協近くの飲食店には。
「おいしい。ミナミは全然味違うもんね」と、その美味を堪能するお客さんが。
まぐろ茶屋・岩本高紀社長「ほかのマグロに比べても、群を抜いて濃厚な甘みが自慢のマグロですね」
保存が難しく、これまでは、地元や高級飲食店などにしか、出回らなかったという貴重な「ミナミマグロ」。そのミナミマグロが今後家庭でおトクに食べられるようになるかもしれないのです。そのワケは、漁協の冷蔵庫の中を見せてもらうと一目瞭然。
青木康晴部長「出荷待ちのミナミマグロが、いっぱい冷蔵庫に入っていますね。全部ミナミマグロです」
新型コロナで、飲食店のニーズが減少したことが影響し、稼ぎ時の年末年始に出荷量は半減。抱えた在庫は実に500トンにもおよび、東京豊洲市場での価格は、去年より1割ほど安値で取引されているのです。
青木康晴部長「(感染再拡大で)消費の方が急にストップしてしまいまして、高級な部類に入るミナミマグロなんですけど、行き場を失ってしまったのが現状ではないですかね」
行き場を失う高級マグロ。そのマグロにラブコールを送る人がいます。焼津出身の店主が営む、都内の居酒屋。少しでも安く焼津のマグロを食べてほしいと、主にキハダやビンチョウマグロを使っています。
「めちゃめちゃおいしいです」と、本場焼津のマグロにお客さんは大満足。さらに今後、高級な「ミナミマグロ」が安く仕入れられるとなった場合には。
まぐろ居酒屋Xibi・沼野明浩店長「いろいろお客さんに食べてもらうことは、こちらもしたいので(焼津のミナミマグロを)ぜひ試してみたいです」
その味は全国のご家庭でも。焼津漁協は、ホームページで産直販売を行っていて、天然のミナミマグロが、1人前1000円ほどとおトクにいただくことができるのです。
青木康晴部長「天然のミナミマグロ、赤いダイヤモンドと言われていますけど。ぜひ赤身のおいしさをご家庭で味わっていただきたい」
おいしいミナミマグロで、年末年始の食卓に笑顔を。マグロの町、焼津の切なる願いです。