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来年度の診療報酬改定率 「全体」は0.12%のマイナス、「本体」は0.88%のプラスに

2023年12月21日 10:47
来年度の診療報酬改定率 「全体」は0.12%のマイナス、「本体」は0.88%のプラスに

来年度の診療、介護などの改定率が決まり、診療報酬全体は0.12%のマイナス改定となりましたが、「本体」部分は0.88%のプラス改定となりました。

診療報酬とは、病院や診療所などが診察や手術などの対価として受け取るもので、年間48兆円程度、保険料と税金と患者の自己負担でまかなわれていて、医師や看護師の人件費などにあたる「本体」と薬や医療機器の値段など「薬価」で構成され、2年に1度改定されます。鈴木財務相と武見厚労相が折衝した結果、来年度の改定について、「本体部分」は0.88%の引き上げ、「薬価」は1%の引き下げとなり、全体では0.12%のマイナス改定となりました。

「本体部分」の詳細も示され、40歳未満の勤務医、勤務歯科医、勤務薬剤師、事務職員などの賃上げのために0.28%、看護師や賃金が介護職員の平均よりも下回っている看護補助者のようなコメディカルなどの賃上げの特別措置を実現するために0.61%などとなっています。

また、介護報酬は1.59%のプラス改定で、来年6月実施の介護職員の処遇改善のために0.98%などが盛りこまれました。

障害福祉サービス等の報酬は1.12%の引き上げです。

物価高や他職種で賃上げの動きが広がるなか、適切な賃上げ分を確保できるかが今回の改定のポイントとなっていました。一方で、新たな少子化対策を国民の負担を増やさない方向で行うため、医療や介護での歳出改革も求められていました。

今回の改定に関して、武見厚生労働相は、「関係職員の賃上げを実現できる水準を確保できたと考えておりまして、今後これらの改善率を前提に賃上げ、処遇改善につながる仕組みの改善にむけて具体的な議論を深めてまいりたいと思います」と述べました。