診療報酬「マイナス改定にすべき」 財政審が提言
来年度予算について議論している「財政制度等審議会」で、医療の診療報酬について「マイナス改定にすべき」との意見が多数を占めました。
岸田内閣が「異次元の少子化対策」を掲げる中、その財源として医療・介護分野の歳出改革が焦点のひとつになります。
財政審 財政制度分科会 増田寛也会長代理
「診療所の極めて高い利益率を踏まえれば、診療上の報酬単価大きく下げ、マイナス改定とすべきである」
来年度は介護、医療、障害福祉サービスの報酬を同時に見直す「トリプル改定」の年にあたり、医療業界は賃上げのために診療報酬を上げることを求めています。
しかし財務省が全国およそ2万法人を対象に行った調査で、2020年度から22年度にかけて、経常利益率は全産業では2.6%から3.4%の上昇にとどまるのに対し、診療所は3.0%から8.8%に急増し大きな伸びとなりました。
これを受け、1日の会議では大多数の委員が、診療報酬の制度改定で「大きくマイナス改定にすべき」との意見で一致したということです。診療報酬改定は、政府与党や医療界で年末まで大きな議論になりそうです。