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観光シーズン開幕“1週間”で……能登半島地震、名物「寒ブリ」にも打撃 藤井キャスターが「一時断水」氷見市を取材

2024年1月20日 12:27
観光シーズン開幕“1週間”で……能登半島地震、名物「寒ブリ」にも打撃 藤井キャスターが「一時断水」氷見市を取材
能登半島の付け根の富山・氷見市。本格的な観光シーズンの幕開けを告げる「ひみ寒ぶり宣言」が出た約1週間後、能登半島地震に襲われました。断水などの被害を受けた観光施設の現状と今後について、藤井貴彦キャスターが19日、現地からリポートしました。

■13日目に断水解消、順次営業を再開

藤井貴彦キャスター
「私が来ているのは、飲食店などが入っている富山・氷見市の『ひみ番屋街』です。この施設はJR氷見駅の近くにありますが、一帯は富山湾に面しています。氷見市は七尾市まで車で30分ほどで、近い場所にあります」

「元日の地震で氷見市は一時ほぼ全域で断水していましたが、この施設は地震から13日目にようやく断水が解消し、(営業を)再開している状況です」

■「氷見を元気に」…遅くまで営業

藤井キャスター
「『ひみ番屋街』には31店舗入っていますが、地震の影響を受けて短縮営業を行っています。普段は午後6時までですが、午後4時に閉店する店が多く、既に真っ暗になっています」

「その中で開いている土産店『おみやげ まるわ』。店頭にはおいしそうなお魚が並んでいます。これで日本酒を飲んだらさぞかしおいしいだろうと思います。内田夏樹店長にうかがいました。他のお店が午後4時で閉店する中、6時まで営業する理由は何でしょうか?」

内田店長
「少しでも多くの人に氷見を楽しんでいってもらいたいなと思って、遅くまでやっています。私たちは『氷見を元気に』と思っていますが、皆さんから『大変な中、頑張って』とか『応援してるよ』と温かい言葉をもらって、逆に元気をいただいています」

藤井キャスター
「実際に4時以降の売り上げはどうでしょうか?」

内田店長
「ちょっと寂しい感じですが…」

藤井キャスター
「それでも(店を)開けて、観光客の皆さんを待っているということですね」

■宿泊施設で「キャンセル」相次ぐ

藤井キャスター
「氷見市というと、ブリが有名です。氷見漁港では水揚げされたブリの大きさや形、漁獲量を見極めて『ひみ寒ぶり宣言』が出されます。氷見市にとって本格的な観光シーズンを告げるこの宣言が今シーズン出たのは、去年12月23日です」

「『よし、これから!』という時に地震が起きました。宿泊施設ではキャンセルが相次ぐなど、観光業にも大きな打撃となりました」

鈴江奈々アナウンサー
「観光は地域経済の大きな柱の1つだと思いますし、内田さんのように(観光客を)待っていらっしゃる方もいるので、訪れて応援する、ということができるようになってくるといいですね」

藤井キャスター
「そうなんですよね。少しでも多くの人が来てくだされば、ということもありますが、何かコミュニケーションが取れたらうれしいのかなとも感じました」

■断水解消で営業再開…施設側の思い

藤井キャスター
「『ひみ番屋街』を運営する、氷見まちづくり株式会社の尾町和広さんにうかがいます。現状について、氷見市も大きな被害を受けましたが、働く方や施設にどのような影響があったのでしょうか?」

尾町さん
「地震当時は氷見市のほとんどの地域で断水状態になりました。また水道管漏水の多発や、液状化現象による各道路の亀裂・陥没が起き、泥水があふれ出たり、家屋が倒壊したりと大変危険な状態でした」

藤井キャスター
「だんだん断水などが解消され、営業を再開するお店も増えてきたと思いますが、今はどんなお気持ちですか?」

尾町さん
「つい先日まではこちらも断水状態で、営業のめどが全く立っていませんでしたが、こうして再開できたことに、テナントの皆さんとともに、ほっとしているところです」

藤井キャスター
「(普段なら)これから観光客の方も多く訪れると思いますが、その前に元日の地震が起きてしまいました。観光業への大きな影響もあったのではないでしょうか?」

尾町さん
「本来、氷見市ではこのシーズン、特産ブランドの『ひみ寒ぶり』で全国からたくさんのお客様にご来店していただいていますが、今は全くその状況ではありません」

■復旧・復興に向かう情報を発信

尾町さん
「ただ『ひみ番屋街』も含め、氷見市内の他の観光施設や旅館・民宿など、少しずつではありますが、復旧・復興に向けて進んでいます。そういった情報をたくさん発信しながら、1人でも多くの方に氷見市に来ていただけるよう取り組んでいきたいです」

藤井キャスター
「ひみ番屋街では13日に断水が解消されてから営業を再開するお店が出てきて、元の状態に戻り始めているということです。15日に19店舗、16日は25店舗、そして(今は)28店舗までと、少しずつ営業を再開するお店が増えてきました」

「私も(19日の)日中こちらを訪れ、観光客の皆さんは平日の金曜日ということもあってそれほど多くはなかったのですが、温かい食べ物、地の物を食べて『おいしいね』などと話し、笑顔があふれている様子も確認できました」

■新幹線の延伸で「北陸をより身近に」

藤井キャスター
「営業を再開したお店が増えた一方で、3月には北陸新幹線が福井・敦賀まで延伸されます。これへの期待はあるのでしょうか?」

尾町さん
「延伸されることで、より北陸や富山、氷見を身近に感じていただける形になると思いますので、よりたくさんの方々にお越しいただきたいです」

「と同時に、まだまだ氷見市や、隣の石川県の珠洲市、能登町、輪島市、七尾市方面で甚大な被害を受けた方がたくさんいらっしゃいます。これまで一緒に、北陸の観光を盛り上げてきました。その方々が一日も早く日常を取り戻せるよう、強く願うばかりです」

(1月19日『news every.』より)