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「ニンニク」需要増加 マスク着用・テレワークでにおい気にならず…

2022年6月20日 20:19
「ニンニク」需要増加 マスク着用・テレワークでにおい気にならず…

コロナ禍でのマスク着用が日常となり、在宅勤務も拡大する中、ニンニクの需要が高まっています。においを気にせずにスタミナをつけたいというニーズにこたえて、飲食店などで新たなメニューが登場しています。

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すき家は22日、夏限定メニューとして、牛肉の上にピリ辛のニンニクの芽を敷き詰め、さらにその上に大粒のニンニクをいくつも乗せた「ダブルニンニク牛丼」を発売します。ニンニクを揚げ、ほくほくの食感にこだわったスタミナがつく1杯です。

すき家営業企画部販促室 徳永絢子さん
「コロナ前と比べて、ニンニク関連商品の販売数が伸びました。コロナ禍において、商品をテイクアウトしてご自宅で召し上がる機会が増えたことで、ニンニクを日中に食べることへの抵抗感が減ったのではないかなと」

在宅勤務の拡大やマスク着用などで、ニンニクのニオイをあまり気にせずランチでの需要も広がっているというのです。

今年、ニンニク料理の専門店が、神奈川県のJR川崎駅のすぐ近くにオープンしました。周辺には企業のオフィスも多く、ランチ時には、会社員などで満席になることもあります。

「特製 ガーリックビーフステーキ」(1200円)は、ステーキにニンニクソースを乗せ、さらに、揚げた大量のニンニクチップをトッピングした、まさにニンニクづくしの一品です。

実は、このお店には、2種類のメニュー表があり、1つは「隠し味程度にニンニクを使った料理」、もう1つは、「がっつりニンニクが入った料理」が載っています。2種類に分けた理由は、ランチ後の仕事などに向け、客が口臭を気にするのではないかと、心配したためだといいます。

アメリカンハウス 奥津企久夫専務取締役
「ニンニクを昼から食べるのに抵抗ある方も非常に多いかなと思いまして」

しかし…

アメリカンハウス 奥津企久夫専務取締役
「ふたを開けると、7割近くのお客様が『がっつりニンニク料理』を楽しめるメニュー(を注文)。売り上げ的にも思っていたより好調で『ありがとうございます』って感じ」

実際に、このあと仕事だという男性は──

『がっつりニンニク料理』を注文
「基本マスクはするので、昼からニンニクありだなって」

別の客も「マスクはしているから、あまり(ニオイは)気にしてはないかな」と話していました。

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農畜産業振興機構「ベジ探」によると、コロナ前の2019年と比べ、2021年のニンニクの輸入量は10%ほど伸びているといいます。

そして、国産ニンニクは、今が収穫のピークを迎えています。生産量、全国1位の青森県では、収穫期の今しか食べられない、“貴重なニンニク”があります。

ニンニク農家 関口巖さん
「“生ニンニク”って甘くておいしいんですよ」

通常、ニンニクは収穫後、3週間ほど乾燥させますが、収穫直後は、一部のニンニクだけ生のまま出荷します。“生ニンニク”と呼ばれ、みずみずしさを楽しめるというのです。

東京・新宿にある居酒屋では、その“生ニンニク”を使った料理を提供しています。

青森PR居酒屋りんごの花 小池政晴店長
「断面見てもらうとわかるけど、すごくみずみずしいんですよ」

しゃきしゃきっとした食感の生ニンニクをスライスし、オムレツに乗せたものや、生ニンニク入りのお酒などが提供されています。

青森PR居酒屋りんごの花 小池政晴店長
「コロナの影響で免疫力をつけたいのか、“平日ニンニク”の人が増えてきましたね。次の日、テレワークで出社しないから、におい気にならないよねとか」

これまでは、休みの前日の金曜日にニンニク料理を注文する人が大半でしたが、コロナ禍で、平日でも食べる人が増えてきたということです。