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【防災】お風呂の湯も貴重な生活用水 防災グッズのそろえ方と知って得する豆知識

2023年3月10日 21:05
【防災】お風呂の湯も貴重な生活用水 防災グッズのそろえ方と知って得する豆知識

3月11日で東日本大震災から12年。この機会に防災グッズを準備しませんか? news every.のお天気コーナーを担当し、防災士の資格も持つ木原実さんと、そらジローファミリーが準備をお手伝いします。

■スーパーで多めに買っておこう! もしもの備えにもなる食材


「3日分の備えが必要」と耳にしたことがあるかもしれませんが、実は、それでは足りないかもしれません。

東日本大震災の発災直後を振り返ると、行政による救援物資の食料は、家が壊れるなど、自宅で生活できなくなり指定避難所に避難している人たちに優先的に配布され、自宅などにとどまることができた人たちは後回しとなりました。


マンションの高層階に住んでいる場合は、電気が止まってエレベーターが動かず、自宅から出られなくなることも考えられます。

そのため官邸ホームページでは、大規模災害発生時には、「1週間分」の備蓄が望ましいとしています。

農水省が勧めているのは、「ローリングストック」。食料品を少し多めに買い置き、賞味期限の近いものから使って、使った分は買い足すという備蓄の方法です。こうすることで、無理なく常に一定量の食べ物が家に備わっている状態が保てます。

また、ローリングストックなら、普段の食生活をもとに自分に合った食料備蓄をすることができます。普段あまり料理をしない人は、レトルト食品やインスタント麺、野菜ジュースなど。普段から料理をする人には米や日持ちする野菜、乾物などがおすすめです。

“少し多め”の買い置きとはどれくらいの量なのでしょうか。それぞれの食生活によって変わりますが、大人1人、1週間分としては

・水 21リットル(3リットル/1日)

主食
・米 2キログラム
・インスタント麺 3個
・パックご飯 3個
・乾麺 2袋

主菜
・レトルトのカレーなど 9個
・レトルトのパスタソース 3個
・肉や魚の缶詰 9個

副菜・その他
・日持ちする野菜
・基本的な調味料
・梅干しなどの漬け物
・のり、乾燥わかめなどの乾物
・インスタント味噌汁や即席スープ
・野菜ジュース、果汁ジュース

これらの量と種類が目安となります。

災害によって停電になったときには、冷蔵庫の中の傷みやすいものから食べていくようにしましょう。

災害時の食事は気持ちのリフレッシュにも役立ちます。好きな食べ物を取り入れて、自分に合った食料備蓄を考えてみましょう。

■コンビニでも買える! 通常時も災害時も使える「フェーズフリー」なもの

・電池(懐中電灯にもラジオにも必要です)
・スマートフォンのモバイルバッテリーとケーブル
・軍手(熱いものや尖ったものをつかむときに役立ちます)
・大きなゴミ袋(透明と黒の2色用意しておくと、雨よけや目隠しにも使えます)
・ラップとアルミホイル(包帯がわりに腕に巻いたり、丸めてタワシのかわりに使ったりと重宝します)
・ノートとボールペンなど筆記用具
・石けん
・粘着テープ

日用品の中には災害時に活用できるものがたくさんあります。普段使うからこそ、意外と切らしていることも。この機会に足りないものは買い足しておきましょう。

■ひとりひとりが気持ちよく過ごすために 女性と子どもに必要なもの


災害時には大きなストレスがかかることが予想されます。なるべく気持ちよく過ごせるよう、自分にとって必要なものを想像して準備しましょう。

たとえば、女性や子どもがいる家庭なら、

・生理用品(次の期間の分まで買ってストックしておくようにしましょう)
・カップ付きのインナー
・ドライシャンプー
・オールインワンのスキンケア用品
・おむつポーチ(おむつ・おしりふき)
・ポンチョ(防寒や雨対策になり、授乳ケープとしても使えます)
・ブランケットやおくるみ
・おもちゃ
・お菓子

これらのものを準備しておくと役立ちます。

■サバイバルグッズはネットで買うのがおすすめ 一度はみんなで使ってみよう


普段はあまり使わないかもしれませんが、もしものときには活躍するサバイバルグッズ。ネット通販で買っておくとよいでしょう。

・カセットコンロ(これがないと温かいものが食べられません)
・ガスボンベ(1人1日約1本、「強火」でおよそ1時間使えます)
・簡易トイレ(1人3日間で15個)
・懐中電灯
・バケツ(生活用水をくむときに必要です)
・笛(逃げ遅れてしまったときは笛で助けを求めましょう)
・携帯ラジオ(発災直後はスマートフォンがつながらなくなったり、停電でテレビが見られなくなったりします。乾電池で聞けるラジオを備えましょう)
・エマージェンシーシート(日よけや防寒に役立ちます)

ガス、水道、電気がないことを前提にしたキャンプ用品は災害時にとても役に立ちます。いざ何かが起こってから使い方がわからなくて困ることがないよう、一度は家族みんなで使ってみましょう。

■そろえたグッズを役立てるために ベストな場所に置いておこう

そろえた防災グッズは、「避難所に持っていくもの」と「自宅で避難生活を送る場合に備えるもの」にわけて、ベストな場所に置いておきましょう。

「避難所に持っていくもの」は、緊急持ち出しバッグにまとめて出入り口付近に置いておくとスムーズに避難できます。保険証、お薬手帳、母子手帳はコピーを取ってバッグに入れます。スマートフォンの電池切れに備えて、緊急連絡先を紙に書き出したものも入れておくと安心です。

その他には、少額の現金、常備薬、普段飲んでいる薬、そして家族写真など、避難生活の不安がやわらぐものも緊急持ち出しバッグに入れておきましょう。


夜に災害が起きたときは、周りがよく見えず、床に散らばったものを踏んでケガをする危険があります。そんなときは、懐中電灯とスリッパがあるとケガを防ぐのに役立ちます。閉じ込められたり、逃げ遅れたりしたときには笛で自分の居場所を伝えるのも効果的です。そのため、懐中電灯、スリッパ、笛は巾着袋などに入れて枕元に置いておきましょう。古くなって捨てるつもりのスニーカーも役に立ちます。


食料品や洗面用品は「自宅で避難生活を送る場合に備えるもの」です。水回りは柱が多く地震が起きても比較的崩れにくいので、食料品と洗面用品は普段使いの場所にまとめて置いておけば大丈夫です。

また、ライフラインが止まって一番困るのが水です。飲用・調理用水だけで1人1日3リットルが必要とされ、加えて生活用水まで用意したら家の中が水だらけになってしまいます。

そこでおすすめなのが、お風呂のお湯をすぐに流さずためておくことです。TOTOによると、湯船の70%までお湯をためているとしたら、単身向けなどの小さなお風呂で130リットル、家族向けなどの大きなお風呂で200リットルの生活用水を確保することができます。水洗トイレを流すのに使えますし、災害時用の浄水器を用意しておけば飲用水にもなります。

災害時に一番大切なのは「死なない」「ケガをしない」ことです。生き残ってこそ非常用持ち出し袋や食料などの備蓄がいかされます。防災備蓄を進めるとともに、家具の固定や初期消火の訓練など、発災時に自分の身を守るための対策も一緒に進めましょう。