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復旧早かった停電なぜ?夜の地震に必携3点

2021年2月15日 19:55
復旧早かった停電なぜ?夜の地震に必携3点

13日午後11時すぎ、宮城県と福島県で震度6強を観測する地震がありました。東日本大震災の余震が「あと10年は続く」と指摘される中で、夜の地震への備えや、新型コロナウイルス対策などについて解説します。

■余震活動「少なくともあと10年くらいは続く」

地震が発生したのは13日(土)の午後11時8分ごろ。宮城県の蔵王町、福島県の相馬市、国見町、新地町で震度6強を観測しました。地震の規模を示すマグニチュードは7.3と推定。東日本大震災の余震とみられています。

東日本大震災から10年がたとうとしていますが、いまだに余震があることに驚いた方も多かったのではないでしょうか。東日本大震災の主な余震をまとめました。

2011年の本震のあと、2012年にマグニチュード7.3、2013年にもマグニチュード7.1と、大きな余震がありました。2016年にはマグニチュード7.4、去年12月にもマグニチュード6.5の地震が起きています。そして13日の地震となりました。

政府の地震調査委員会は、「余震活動は少なくともあと10年くらいは続く」と説明しています。

■広範囲な停電も早かった復旧…なぜ?

続いて被害状況です。今回の地震で、震源から近い常磐道で土砂崩れが発生しましたが、震源から離れた場所でも影響がありました。東北電力管内では一時およそ9万軒、東京電力管内では、栃木県や千葉県、さらに震源から離れた神奈川県や静岡県でも停電が起き、一時およそ86万軒の停電が発生しました。

なぜこれほど広範囲の停電になったか東京電力に聞いたところ、東北で停止した発電所のうち、東京電力のために電気を作っている発電所があるそうなんです。この発電所が止まってしまうと、安定した電力を東京電力に送れなくなってしまう。そこで、一時的に広範囲に電力を止めて調整したということでした。だから復旧も比較的早かったのです。つまり、被害を拡大させないための“前向きな停電”であったと言えそうです。

■真っ暗闇で役に立ったスマホ…被災者の声

今回の地震は夜に発生しました。夜の地震では何が起きるのか、次にみていきます。

早稲田大学の浅野豊美教授は、震度6弱を観測した福島県桑折町のご実家で被災されました。書棚が倒れ、本や書類が散乱したということです。当時、浅野さんはリビングにいて、お母さまは台所にいたと言います。

15日、浅野さんにお話を伺ったところ、次のように話してくれました。

「揺れの最中に電気が止まったんですよ。テレビも照明も揺れの最中に瞬間的に消えて、真っ暗状態です。私はリビングを飛び出して、玄関から外に出てしまいました。母が気になったんですけど、心の余裕がなかったですね」

「母の話なんですけど、台所で食器棚が倒れるのを、最初押さえていたそうなんですけど、途中からこれはだめだと思って、台所と居間の間の廊下に手すりがあるので、手すりにつかまっていたということで」

台所の写真を見ると、食器棚が倒れてしまっています。浅野さんは外に避難したわけですけれども、暗闇の中では、玄関の鍵を開けることすら難しかったと話していました。

さらに、揺れがおさまってから家族の安否を確認しようとしたそうですが、真っ暗で大変だったそうです。その時、スマホのライトが役に立ったと言います。地震への備えについて「一番なにをしておけばよかったか」と尋ねたところ、「大容量のモバイルバッテリーを持ち歩いておけばよかった」と話していました。

■夜の地震に備えるべき3点

日本防災士機構の橋本茂事務総長によると、夜の地震への備えとして、ベッドのそばに『懐中電灯』『スリッパ』『笛』は、置いておいてほしいとのことです。さらに、それがバラバラになって探せなくならないよう、袋に入れておいてほしいと言います。

懐中電灯は暗闇を照らすものとして必要ですし、スリッパは、底が厚めなもののほうが安心です。笛は、家から出られなくなった場合に、救助を呼ぶのに役立ちます。

■新型コロナは…どうする避難

そして気になるのが、新型コロナウイルスです。避難する際に意識すべきことを聞いてみました。橋本さんによると、感染対策のためには、自宅の安全が確保されている場合は『在宅避難』も検討してみるといいそうです。ただしそれは、耐震がしっかりしている鉄筋のマンションに住んでいる場合などで、古いマンションや老朽化している家の場合は、余震が起きた時の危険性が高いので、避難したほうがいいとのことでした。事前に、家や周囲の状況を確認しておくことが大切です。

■揺れが強いとき、家具は凶器に

さらに、揺れが強いとき、家具は凶器にもなり得ます。薄型テレビなどは飛んでくるので、家具や家電をどこに置くのか、また、倒れてこないようにしっかり金具で固定してあるか、いま一度、点検をお願いします。子どもや高齢者など、一人では家具の固定が難しい場合は、ぜひ助けてあげて下さい。避けることのできない地震ですが、備えることはできます。

まだ、大きな地震が続く可能性があります。十分に注意してください。

(2021年2月15日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より

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