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大震災で物流ストップ どう生き延びる

2021年3月8日 10:14
大震災で物流ストップ どう生き延びる

東日本大震災から10年、当時被災地では何が起こっていたのか、今一度検証し、これからの大地震へどう備えるか考えます。震災後の被災エリアでは、被災者の生活を直撃するライフラインや物流のストップが待ち受けていました。


■ライフラインが全面的にストップ

東日本大震災が発生した後、報道はかなりの間、津波で行方不明となった人たちの捜索や救助活動の様子、孤立地域の人たちの安否確認などに集中していました。

しかし、津波に飲み込まれることもなく、揺れによる建物の倒壊などの被害からも免れて生き残った人たちも、ライフラインが閉ざされ、物流もことごとくストップする中で、ぎりぎりの厳しい生活を強いられていたのです。


■ライフラインの復旧には時間が

電気・ガス・水道が止まって全く使えないという状況からの復旧には時間がかかりました経済産業省によりますと、停電は全体で約466万戸発生し、その9割以上が復旧するまでに8日、仙台市によりますと、停電がおおむね復旧したのは5月10日。都市ガスが全面復旧したのは4月16日ということです。

断水も津波被災エリアを除いてようやく復旧したのは3月29日。それまで、給水車に長い列を作って生活する日々が続いたのです。仙台市内を流れる川で洗濯する人の姿もありました。


■物流ストップで食事もできない

さらに、スーパーやコンビニでは商品が不足し多くの店が閉店せざるを得ませんでした。営業を続けることができた店も、入ってくる商品の量が極端に少ないために、数量を限定して販売せざるを得ない状況が続きました。

こうした事態は、単身赴任の会社員や、独り暮らしの学生など、毎日の食事を飲食店やコンビニに頼って生活している人たちを直撃しました。

行政による救援物資の食料は、家が壊れるなど、自宅で生活できなくなった人たちに優先的に配布されます。運よく自宅などにとどまることができた多くの人たちに対しては、救援物資の配布は後回しにされるのが現実でした。

また仙台市周辺でまともに給油できるようになるまでは約1か月の時間が必要でした。


■停電やガソリン不足が原因

多くの人の生活を厳しくした物流の麻痺は、停電やガソリン不足が大きな要因です。

スーパーやコンビニの物資輸送を担う配送センターは、コンピューター制御の自動システムで運用しているケースが多く、停電すると各店舗に配送する物資を捌くこともままならなくなるからです。


■停電の応急復旧には2週間はかかる

もし南海トラフの巨大地震が起きたら、停電に加えてガソリンなど燃料不足も深刻となり、物流の麻痺が巨大都市、東京・大阪・名古屋で長時間継続することが容易に想像されます。

政府の南海トラフ巨大地震の被害想定でも、食料の不足量は発災後3日間の合計で最大で約3,200万食に達すると想定されています。

停電はいつまで続くのか、被災状況によるものの、中部電力は応急復旧までに2週間はかかることを覚悟してほしいとの想定を示しています。そして、ガソリンなどの燃料の供給がまともに復活するのはさらに厳しい予想です。


■1週間分以上の備蓄を

国がまとめた南海トラフ巨大地震対策の最終報告書は、被災地内外の食糧、飲料水、生活物資の不足や、電力、燃料等のエネルギー不足が起きると指摘しています。

そして、首相官邸のホームページでも、「大規模災害発生時には、“1週間分”の備蓄が望ましいとされています」として備蓄の推進を呼び掛けています。

また他にも、ソーラー充電器やカセットコンロの準備、普段から使っている医薬品などの備え、家の耐震化など。今から確実に準備しておかないといけないことは、たくさんあります。