“高評価の投稿”条件にワクチン割引か…「ステマ」で初の行政処分 だまされないためには?
星5つの評価がついたGoogleマップのクチコミ。都内の医療法人のものですが、こうした高い評価を投稿することを条件にインフルエンザワクチンの接種料金を割り引いていたとして、消費者庁が初めて投稿の削除などを命じました。
街で病院やクリニックを選ぶ基準を聞いてみると…
会社員(20代)
「Googleを使っています」
「街の人がどれくらい利用しているかとか、クチコミ・レビューは見ます」
会社員(20代)
「結構Googleの評価とか見て、歯医者とか選んだりしているので、そこは結構重要になってくるんじゃないかなと。それだけで判断してしまっているので」
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街の人が「重視している」と話す、クチコミ─。このクチコミをめぐり、消費者庁が「ステルスマーケティング」、いわゆる「ステマ」に対して、初の行政処分をしました。
「ステマ」は、消費者が広告であるとわからない表示や発信をする行為のこと。
「星5」の高評価がずらりと並んでいたのが、都内の「医療法人祐真会」が運営する「マチノマ大森内科クリニック」です。消費者庁は、計45件の高評価の投稿を「ステマ」だと判断し、景品表示法違反で、表示のとりやめなどを命令したのです。
ここで行われていたというのが、高評価と引き換えのワクチン割引です。
去年10月。クリニックに、インフルエンザワクチンの接種のため訪れた来院者に対し、クリニック側がGoogleマップ上のクチコミに「星4」か「星5」の高評価を接種前につけることで、料金を割引にすると伝えていたといいます。
クリニックは来院した人がつけた高評価を確認すると、接種後に料金の550円割引などをしていたということです。
“高評価を依頼していたとみられる期間”は「星5」の評価が大半でしたが…
「星1 かかりつけにはオススメしません」
「星1 何を質問しても皮肉な回答で心が折れました。もう二度と行きません」
“高評価の依頼”前後の期間では「星1」の評価が大半をしめていたということです。
「ステマ」にだまされないためには…
消費者問題に詳しい板倉陽一郎弁護士
「大体のサービスは良いなと思う人と、悪いなと思う人が色々いるわけですから、『星1』と『星5』だけ多いとなんか変だなと」
「あとは同じようなことばかり書いているとか、ある期間に集中して『星5』が多いとか、そういうのは、なんとなくおかしいのではないかというシグナルにはなる」
今回の措置命令について「祐真会」は、消費者庁の聞き取りに「あずけるコメントはない」としているということです。
(6月7日放送『news zero』より)