コロナ収入減 アルバイト「補償や手当」
コロナ禍による飲食店への時短要請は、現場を支えるアルバイトの人たちの生活も直撃しています。シフトと収入の激減で、補償や手当を求める声が相次ぎ、労働組合も交渉に乗り出しています。ラーメンチェーン店「一風堂」で働く男性に窮状を聞きました。
■悲痛…シフトカットで収入激減
コロナの影響は日常生活にも表れています。
アルバイトで生計を立てている高橋さん(29)は、横浜市内の大手ラーメンチェーン店「一風堂」のアルバイトとして、調理や接客の仕事をしています。
「もうちょっとで8年くらいです。長く働いてきたので、生活の基盤になっていたというのは大きくあります」
しかし、コロナでシフトに大きな変化が生じました。
「時短要請で入れる日数はかなり、もう時間も日数も減っちゃってますね」
先月のシフトを見せてもらうと、白い部分が目立っていました。
――白いところは…?
「(シフトに)入ってないってことですね」
――2週間で何日入ってるんですか?
「3日間だけです」
月に18万円ほどあった収入は、およそ5万円まで減少したといいます。
「貯金取り崩したりとか、食費を抑えたりして生きてはいますけど、いよいよ結構やばい状況です」
■相談急増…労働組合が企業と交渉
同じ悩みを抱える人たちは、ほかにもいます。
4日、都内の労働組合「首都圏青年ユニオン」を訪ねました。寄せられた相談は、ほとんどが休業補償、休業手当についてということです。去年4月の緊急事態宣言以降、飲食店で働くアルバイトなどからの相談は約800件まで急増。この組合では、およそ30の企業に対し、休業手当などを求める交渉を続けています。
首都圏青年ユニオン
「今回、コロナ禍で大規模なシフトカットが起こって、シフト労働者が何の規制もなく収入がゼロになってしまうケースが浮かび上がったなと思います」
高橋さん
「ちゃんと休んだ分の補償をしていただきたいと。コロナ禍で働けたであろう分の時間の給料を補償していただきたいというのは求めております」
■運営会社「休業扱いでない」
一方、高橋さんの要求に対し「一風堂」の運営会社は、「シフトが確定していない分については所定労働日(労働義務の発生日)が確定していないため、そもそも休業の扱いではなく補償の対象とはならない」と主張しています。
■「行動しないと泣き寝入り」
平行線をたどる両者の主張。
現状について高橋さんは、こう訴えます。「純粋に悲しいですね。長く働いてきたというのは、信頼関係があって働いてきた場なので。ただ、状況が一変したら僕らアルバイトは切り捨てられてしまっているという状況です。行動を起こさないと泣き寝入りの状況が続いてしまうんですね。やるしかないかなっていう複雑な気持ちですね」
(2月4日『news zero』より)