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原発中央制御室に他人IDで入室「改善を」

2021年2月8日 18:46

新潟県にある東京電力柏崎刈羽原発の中央制御室に去年9月、社員が他人のIDカードを使って不正に入った問題について、事態を重く見た原子力規制委員会が8日、臨時会議を開き、東京電力に対して「改善を図るべき水準」との評価がなされました。また、社員が立ち入った時の詳細も明らかになりました。

この問題は、柏崎刈羽原発で厳重な入室管理が求められる中央制御室に去年9月、東京電力の社員が他人のIDカードを使って不正に入室したものです。8日に行われた原子力規制委員会の臨時会議で、入室までの詳細が明らかになりました。

中央制御室に不正入室した社員は当時、自身のIDカードが見つからなかったため、鍵がかかっていなかった別の社員のロッカーから無断でIDカードを持ち出し防護区域の出入り口で提示。その際、警備担当の社員らもIDカードの写真と別人であると認識をしていたにもかかわらず、出入りの扉を開けていたことがわかりました。

8日の臨時会議で原子力規制委員会は、この問題について事態の深刻さを示す重要度評価を上から3番目の「改善を図るべき水準」とする評価を行いました。今後、追加調査を行っていくとしています。

また、この問題について東京電力は、不正に入室した翌日の9月21日には原子力規制委員会の事務局である原子力規制庁に報告していましたが、その情報は今年1月まで原子力規制委員会の更田委員長ら委員には報告されていませんでした。

報告が遅れたことについて原子力規制庁は「判断が甘かった」としています。