青森の会社や病院で「攻めの感染防止対策」
青森県内の会社や病院が独自に取り組んでいる新型コロナウイルス対策があります。収束が見通せない中、安心して働いたり生活したりするために取り入れているのは、「攻めの感染防止対策」です。
◇
業務用の冷凍庫など、冷熱関連の設備工事を行っている青森市の大青工業です。こちらでは、社員が県内外の現場にでかけて工事をしなければいけないため、非常に厳しい感染防止対策をとっています。
その中の1つが─。
大青工業・鳴瀨正彦社長「社員全員に月2回のPCR検査、そしてその家族に月1回(PCR検査)ということで。社員の安全、そしてその家族の安全、ここを最優先すると」
新型コロナウイルスのPCR検査を、去年10月から社員50人が月2回行っています。さらに、社員と毎日接触する家族150人も、月に1回実施しています。費用は1人1回7000円で、全額会社が負担しています。そのため、今年3月末まで1000万円の予算を見込んでいます。
検査は唾液を採取し、検体を大阪の医療機関に送るもので、2~3日で結果が判明します。検査結果は、スマートフォンで確認することができます。
新型コロナウイルスの収束が見通せない中、この会社では、経済活動を止めないためにも、積極的に検査をして社員に安心して働いてもらうという選択をしました。
大青工業・鳴瀨正彦社長「スマホの陰性証明を見せるとやはり相手も安心してくれます。お金はかかっても、ここはやはり“攻めの感染防止”と。ある程度投資をするというかたちで。本当にやって良かったなと思っています」
◇
一方、こちらは青森市のとよあきクリニックです。
院長の佐々木豊明医師は、安全に抗原検査やPCR検査を行うために、先月特殊な検査ブースを導入しました。ブースには部屋が2つあり、仕切りのアクリル板に、手を出すことができる手袋が備え付けてあります。
とよあきクリニック・佐々木豊明院長「こちらが、私が入るブースになりまして、患者さんがこちらに入っていただきます。検査をして、この場で抗原検査も行います。これが普通の換気扇になっていまして、こちらから空気を送り込むことによって、患者さんが入っているほうから空気が流れこまない。万が一、患者さんがウイルスを排出しても、それが私のほうに来ないという仕組みになっています」
この検査ブースは、院長の後輩でもある神奈川県の医師が開発したもので、値段は65万円です。
導入した理由は、患者が、新型コロナウイルスに感染しているかどうか曖昧なままだと、医師やスタッフにも感染の危険が及ぶためです。
とよあきクリニック・佐々木豊明院長「白黒はっきりしないで、患者さんを診ていますと、どこでコロナに感染した方と接触するか分からないということで。典型的な症状じゃなくても、少しでも怪しい点があれば、うちでは積極的に検査していただくように患者さんを説得しています」
院長は、積極的に検査をすることが患者の安心した生活につながり、また、医師やスタッフの安全にもなると話しています。