東電旧経営陣に無罪 東京高裁「10メートル超の津波が襲来する現実的可能性を認識していたとはいえず」
福島第一原発の事故をめぐり、強制的に起訴された、東京電力旧経営陣3人の控訴審で、東京高裁は18日、1審に続き3人を無罪としました。
東京電力元会長の勝俣恒久被告ら旧経営陣3人は、原発の敷地の高さを超える津波を予測できたにもかかわらず、対策を怠り、原発事故で避難を余儀なくされた病院の入院患者らを死亡させた罪などで、強制起訴されています。
18日の控訴審の判決で、東京高裁は1審に続き、3人を無罪としました。
東京高裁は判決理由の中で、旧経営陣らが「10メートルを超える津波が襲来する現実的可能性を認識していたとはいえない」とし、事故を防ぐために原発の運転を停止する義務があったかについては、「電力事業者は漠然とした理由では運転を停止できない立場にある」と指摘。
3人を無罪とした2019年の1審判決について、「不合理なところはない」とし「被告人の無罪は維持できる」と判断しました。