原発事故10年 福島「戻れない町」現状は
東日本大震災から10年。福島第一原発がある福島県双葉町は、いまも住むことが許されていない町ですが、戻れるメドは見えているのか、福島中央テレビの緒方記者が中継で伝えます。
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双葉町は町の95%が立ち入り制限され、いま私のいる交流施設がある5%の区域のみ、避難指示が解除されています。ただ、住民の帰還は来年春の予定で、まだふるさと再生への助走期間が続いている状況です。
ここから見える福島第一原発では、廃炉の最難関と言われる燃料デブリの取り出しが、今年にも始まる予定でしたが、延期されました。40年かかる作業、その道のりの長さを感じます。
町では、今後、診療所が完成したり、いま避難先にある教育施設も、住民の帰還が始まったら、ふるさとに戻すことを検討しています。
インフラの整備は着実に前に進んでいます。ただ10年たって、ふるさとに帰るだけが正解ではないような気がするのです。
避難先でたくさんの友人や思い出を作り、生活を確立した人もいます。一人一人の人生の選択を尊重することも大切だと感じます。