名物看板が引退、引退理由は“大雪”富山市
富山市で、ある店の名物看板がその役目を終えました。10年にわたり店を見守ってきたこの看板。引退の理由は、富山県内にさまざまな被害を与えた1月の大雪でした。
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太く勇ましい眉と、立派なひげ。富山市北代で20年続く「ダルマヤラーメン」の名物「ダルマの看板」です。
店が今の場所に移転して以来、2代目の看板として店を見守ってきました。しかし…。
山田佳奈記者「こちらの大きなダルマの看板ですが、よくみると頭に穴が空いていて、痛々しい姿になっています」
今年1月に県内を襲った記録的な大雪。積もった雪の重みで頭の部分が破れてしまいました。
ダルマヤラーメン3代目・大房竜己さん「ショックでしたよ、ずっと大事にされてきたものだったので」
店の移転からおよそ10年。修理も考えましたが、雨風に耐えてきた傷みは激しく、店は取り換えを決断しました。
大房竜己さん「毎日夕方になると点灯するんですけど、『夜の部も始めるぞ!』って一緒にやる気が出てくる感じ。毎日のやる気の源」
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大房竜己さん「こうみると痛々しいですね…」
ダルマの最後の姿をみようと常連客の姿も…。
常連客「(撤去されると聞いて)急遽、仕事をキャンセルして…。もうなんか悲しいですね」
大房竜己さん「寂しいですね」
常連客「寂しい…」
大房竜己さん「泣けますよね」
常連客「この辺りのシンボルだったから、ちょっと寂しい。次どんなのになるのかな」
作業を始めておよそ20分。店を見守り続けてきたダルマが、その役目を終えました。
大房竜己さん「今まで相当頑張っていたんだな。地域に愛されて町のシンボルになって、みんなの心の支えになっていたと、この機会に知った。それを含めて『ありがとう』っていう気持ち」
ダルマの顔は全て職人が手描きしたもの。その職人は既に引退していますが、新たなダルマは、また違う職人が手描きするといいます。
大房竜己さん「職人の味や癖が出てくる。新しいダルマにも、いい味出してもらいたい。僕も3代目なので、一緒に地域から愛されるような(看板)3代目になってほしいし、自分もなりたい」
3代目となる新しいダルマは、このあと1か月かけて製作して、来月半ばに登場する予定です。