高校教科書の検定結果公表 コロナの話題も
来年春から高校生が使う教科書の検定結果が公表されました。多くの教科書が新型コロナウイルスについて取り上げています。
今回の検定対象は、主に高校1年生が来年4月から使う教科書で、主体的・対話的で深い学びの実現を目指して2018年に改訂された学習指導要領を反映し、科目が大幅に再編成されています。
特に、社会科系の科目が再編されていて、「世界の中の日本」を意識し、近現代史で世界史と日本史を融合させた「歴史総合」や、18歳選挙権といった政治参加などの主権者教育を学ぶ「公共」が新設されました。
また、領土問題について、学習指導要領に日本の立場が明記されたことを受け、高校の教科書では初めて、「地理総合」と「公共」のすべての教科書で、「北方領土」「竹島」「尖閣諸島」について、「固有の領土」と記載されています。
そして、多くの教科書が、「公民」「理科」「保健体育」など様々な教科で新型コロナウイルスを取り上げています。
人類と感染症の歴史のほか、感染拡大が世界経済に与えた影響、パンデミック、免疫やワクチン、デマの拡散などが記載されているほか、年表には延期された東京オリンピック・パラリンピックが「開催予定」として2021年に書かれています。
ICT環境の整備や働き方の変化について取り上げる中で、「在宅勤務」や「テレワーク」といった用語や、宅配需要の増加や新しい業務システムの登場を取り上げる中で、「Uber Eats」といった最近話題になった用語も登場します。
著名人では、現役高校生で女優の芦田愛菜さんが書いたエッセーが、国語の教科書に掲載されているほか、音楽の教科書には、米津玄師さんの「Lemon」や、NHK朝の連続ドラマ主題歌にもなったスピッツの「優しいあの子」、大ヒット映画「君の名は。」主題歌の「前前前世」などが取り上げられました。
そのほか、英語の教科書にプロゴルファーの渋野日向子選手や、正体不明の覆面アーティスト・バンクシーらも登場しています。