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6年ぶり高騰“米産牛バラ肉” 広がる影響

2021年4月9日 20:02
6年ぶり高騰“米産牛バラ肉” 広がる影響

アメリカ産の牛バラ肉の卸売価格が高騰し、6年ぶりの高値となっています。このため、看板メニューに影響が出ている飲食店もあるようです。

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たっぷりの牛バラ肉を、しょうゆベースのワインソースと一緒に炒め、もやしなどともに鉄板の上へ。完成したのは牛バラ肉のうま味をがっつり味わえるという東京・豊島区の「牛焼ジョニー」の看板メニューです。

しかし…

牛焼ジョニー 愛甲哲生店長
「あまりにも仕入れ値が上がったものですから、心苦しいですが、値上げさせてもらいました」

今年2月には1キロあたり780円だったアメリカ産牛バラ肉の仕入れ値が、現在1100円まで急激に上昇。そのため、値上げするしかなかったといいます。

牛焼ジョニー 愛甲哲生店長
「これ以上は据え置きで(料金を)上げたくない。頑張っていきたい」

アメリカ産牛バラ肉の卸売価格は、この1か月でおよそ3割高騰。2015年以来、6年ぶりの高値となっています。

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その影響は都内のスーパーでも…

東京・練馬区の「アキダイ」。牛肉のコーナーにはアメリカ産のものもありますが、バラ肉は見当たりません。そのワケは?

アキダイ 秋葉弘道社長
「(米産の)バラ肉は問屋さんに注文しても、たまにしか入らない」

そのため、アメリカ産牛肩ロースを代わりに仕入れていますが、その仕入れ値もこの数か月で2割ほど上がったと話します。

アキダイ 秋葉弘道社長
「値上げの連鎖が起きているのが現状」

アメリカ産牛バラ肉の高騰は、新型コロナの影響によるアメリカ国内の生産会社などの稼働率の低下や、世界的な需要の高まりが原因とみられています。

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この高値が長期化することへの不安も…

東京・足立区の「ジェイズカレー北千住店」。低温熟成調理で柔らかく仕上げた牛バラ肉のブロックが名物の特製カレー。

仕入れているのは全てアメリカ産。すでに次の仕入れから値段が上がるといいます。そのため…

ジェイズカレー 石井一騎代表
「さらに値段が上がる事態があったら、オーストラリア産とか、別の原料に切り替える、または、いったんメニューをお休みすることも考えないといけないかもしれません。」

ただ、現時点では、経営努力を続けることで乗り切る予定だということです。

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そして、牛バラ肉グルメといえば牛丼ですが、牛丼大手3社ともに現在、十分な在庫を確保しているため、牛丼の値上げなど、特段の影響はないということです。

食肉輸入会社などによりますと、アメリカ産牛バラ肉の卸値が今後どのように推移するのか、予測することは難しいということです。