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大阪「基礎疾患ない若い世代で重症」増加か

2021年4月14日 20:29
大阪「基礎疾患ない若い世代で重症」増加か

大阪では、一日あたりの新型コロナウイルス感染者が初めて1000人を超えました。若い世代で基礎疾患がない人の重症事例が増えているといいます。一方、東京では変異ウイルスのクラスターを初めて確認。全国の最新の感染状況について解説します。

■大阪「9割方ほぼ変異株」「若い世代で重症」

大阪では13日、1099人の新型コロナウイルスへの感染が確認され、初めて1000人を超えました。同じ火曜日で見ても3月30日は432人、4月6日は732人で、この2週間で600人以上増えています。まん延防止等重点措置から1週間以上たちましたが、依然として増え続けている状況です。

大阪府の吉村知事も危機感を強めています。13日の時点で重症者の病床使用率は95.1%。医療体制のひっ迫は深刻な状況で、吉村知事は府内59の病院に対し、「命に別条のない、急ぎでない手術や入院について一時的な延期」を要請しました。

また、急拡大しているイギリス型の変異ウイルス「N501Y」については、「9割方、ほぼ変異株に置き換わっている」と述べました。そして、第3波と比べて「若い世代で基礎疾患がない方が、重症として多くあがってきている」のが、これまで見られなかった傾向だと言います。そこで吉村知事は、「お酒や飲食の場、感染リスクの高い場面」は、そもそも避けてほしいと呼びかけています。

さらに、14日夜には緊急対策本部を開き、学校でのクラブ活動の自粛、大学は対面ではなくオンライン授業、企業にはさらなる在宅勤務を求める方針だということです。

■兵庫も過去最多507人「うちわ会食」呼びかけも…

14日、兵庫県では新規感染者数が507人と過去最多を更新しました。その兵庫でいま物議を醸しているのが『うちわ』です。

話の発端は、今月9日、兵庫県の井戸知事が会食の際にうちわで口元を覆う「うちわ会食」を呼びかけ、神戸市などの飲食店およそ1万6000店に32万本のうちわを配ると表明したことです。

ところが、この方針に対して神戸市は、「効果があるのか検証が不十分」だとして、県に配布の中止を申し入れました。うちわの製造にかかる費用は約700万円で、県庁に「税金の無駄遣い」だといった意見が160件以上寄せられているということです。

この「うちわ会食」にどの程度の感染防止効果があるのか、国際医療福祉大学成田病院・感染制御部部長の松本哲哉医師に聞いたところ、「誤ったメッセージになる」とのことでした。確かにうちわに引っかかって飛沫は飛ばなくなりますが、「マイクロ飛沫もあり、マスクよりも確実に効果は下がる」としています。

この点、井戸知事は、うちわをすれば感染しないとしているのではなく、何もしないよりは「うちわ」や「せんす」「ハンカチ」など、なにかで口元を覆うことを呼びかけています。

しかし松本医師は、「いま兵庫県の状況は少なくとも会食禁止のレベル。うちわをすれば会食してもいいというメッセージとして伝わってしまえば、感染拡大の要因になる」と批判しています。

兵庫県は、うちわ配布の中止も含めて検討するとしています。

■尾身会長「第4波に入っている」のは間違いない」

現在の感染状況について国会では、14日、菅総理大臣が「全国的な大きなうねりとまでなっていない」と述べました。一方、政府分科会の尾身会長は「第4波に入っているのは間違いない」と強い危機感を示しました。

政府は、愛知県などにも「まん延防止等重点措置」の適用を自治体の意向などを見極めながら検討していく方針です。

■愛知では大規模クラスター 教会で「集団で歌」

その愛知県では、豊田市にあるキリスト教の教会で、大規模なクラスターが発生したことが分かりました。これについて愛知県の大村知事は13日、語気を強め、次のように述べました。

「みんなで大声で歌を歌ったと。キリスト教の宗教行事なのかもしれませんが、今このコロナウイルスの時ですから、極めて遺憾だ」

この教会では今月4日、キリスト教の宗教行事イースター(復活祭)にあたる日に、2回に分けて、50人と80人、のべ130人が集まり、13日までに36人の感染が確認されました。この行事では集団で歌を歌ったり、一部の人は会食もしていたということです。

大村知事は、しばらく施設を使用禁止にできないか市と相談すると話し、厳しく対処するとしています。

■東京で初の「変異ウイルスクラスター」

東京も厳しい状況が続いています。14日の東京の新規感染者数は591人。14日連続で前の週の人数を上回りました。

さらに変異ウイルスについても、東京では13日、80人の感染が明らかになっています。変異ウイルスの感染者は2日連続で過去最多を更新していて、東京都では初めて「変異ウイルスクラスター」も確認されました。同じ病院の患者と職員で、院内感染で感染が広がったとみられ、この病院の変異ウイルスの感染者は12人にのぼっています。

関西では過去にない大きな波となっており、東京でも変異ウイルスの感染確認が急増しています。私たちひとりひとりが警戒レベルをあげて最大限リスクを避ける、そういったタイミングに入っています。

(2021年4月14日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より